梅沢和木「テラストラクチャー・オブ・クイアパイン」(AAR6月号インタビュー掲載) 画像提供:TEAM ROUNDABOUT 大量の情報をどう処理するか 藤村:なるほど。ただ、ネットを観測したい、構造を持ち込みたいというのは1960年代の建築家たちが「都市」に対していっていたことととても似ていると思うんですね。当時は建築を使って都市を構造的に理解する関係だった。今はリアルな空間を使ってネットの空間を整理するという感じでしょうか。 ただ、椹木さんの論文だと、カーンがスタティックなシェイプを構築していくのに対し、磯崎さんはフォームに徹することでカオスを引きうけるんだという対立にメディアアートと「カオス*ラウンジ」がそれぞれ対比されている。その指摘についてはどう思いますか。 黒瀬:椹木さんは破滅*ラウンジについて、重要なのは目に見えるシェイプ(作品)ではなくて、それを規定している見えない