ナショナリズム研究 (Learning the Base of Nationalism Studies) 担当者 小熊英二(総合政策学部)B型 1、主題と目標 国際情勢をはじめ、民族問題にたいする関心が高まっている。グローバリゼーションとナショナリズムの対立ということが語られるばかりでなく、国内でも在日韓国・朝鮮人やアイヌ、外国人労働者などの問題が存在するし、歴史問題などをめぐってナショナリズムの是非をめぐる論議もかまびすしい。 ナショナリズムの問題が近年になって注目されているのは、偶然ではなく必然である。一昔前までは、社会の近代化が進めばナショナリズムや民族意識などというものはしだいに消えてゆくはずだと考えられていたのだが、その予測は裏切られた。その理由はいくつかあるが、まず第一に、交通や情報の発達のために人間が移動する機会が多くなり、慣習も言語もちがう人間どうしの接触が増大したこと。第