批評や評論について、 「愛情がある」「愛情がない」という言葉で語るのは、 あまりにも安易で、退屈で、 そんなことを言う人のことを、わたしは信用しない。 愛情、と、簡単に言うけれど、 ただ「好き」という気持ちを書くのは、愛情じゃない。 それは、ただの、思い込みの一方的な恋情であって、 そんなものをもとに文章を書くのは、 相手に無理矢理自分の体液をなすりつけるような、 そういう行為だ。 わたしは、自分でそう思うのだけれど、 そういう一方的な恋情でものを書くことは、得意なほうだと思う。 批評とか、評論なんて、とても呼べない、 ただそのものが好きで好きで、自分だけがそれをいちばんよくわかっていて、 自分がこの世で誰よりもいちばんそれが好きなのだと、 独占欲をむきだしにして、 無抵抗な対象物に、爪を立てて噛み付いて歯形をつけて、 「これはわたしのものだ」と、宣言するような、 そういうなんとも下品な文