「20年以内に約1兆個のチップをこの地球上にばらまく」――孫正義氏が半導体企業ARMを買ったのには、ある未来予想図があった。 ソフトバンクグループ孫正義社長は7月21日、東京・港区で開催している「SoftBank World 2016」で、先日発表された英ARM Holdingsの買収について語った。買収はいつから考え、なぜ必要だったのか。 「ARMの買収を発表したのが日本時間7月18日、そのちょうど2週間前に初めて買収の話をトルコの港町のレストランでARM会長に提案した」――孫氏は言う。その時期トルコではテロやクーデターが起きていた。周りの人から心配されながらも、どうしても重要な話だと現地へ向かったという。 それからわずか2週間後、ソフトバンクグループ最大の買収の発表があった。 孫氏は自動翻訳機を最初に作った人でもある。その翻訳機には合成音声機能も付いていた。特許を取ってシャープに売った