およそ138億年前のビッグバンによって誕生したこの宇宙は、今も膨張を続けていると考えられています。膨張する速度は加速していて時代ごとに異なるとみられていますが、同じ時代であれば宇宙のどこでも一定だとされてきました。今回、最近の宇宙においては観測する方向によっても膨張速度が異なっている可能性を示した研究成果が発表されています。 ■不均一な暗黒エネルギーの影響で膨張速度が異なっている可能性今回の研究によって示された、方向ごとに異なる宇宙の膨張速度(ハッブル定数)を示した全天マップ。地球から見た方向によって、膨張速度が速いところ(黄、オレンジ)と遅いところ(紫、黒)がある(Credit: K. Migkas et al. 2020)全天から観測される宇宙マイクロ波背景放射(CMB)はビッグバンの名残とされています。その観測結果から、宇宙はどの方向にも同じ速度で膨張を開始し、加速している膨張速度も