「悪い円安」がマスコミで大ブームだ。「悪い円安」は、“物価高につながり庶民の生活を圧迫する“、”日本の構造的な停滞の真因である“、あるいは“アベノミクスの弊害だ”、などとテレビや新聞でこの種の報道が盛んである。最近では、米国と日本の政策当局が、円安を是正するために協調介入すべきだ、いやもう両国で介入することで話がついているなどとも報道されている。まさに奇妙な経済論が大手を振っているわけである。なぜ奇妙なのだろうか? 1ドル=129円台をつけた円相場を示すモニター=20日午前、東京・東新橋の外為どっとコム自虐史観の経済版?例えばテレビ朝日のモーニングショーでは、同社社員の玉川徹氏がこの奇妙な経済論を語っていた。玉川氏の発言は、同番組に出演した榊原英資氏(青山学院大学特別招聘教授)との対話の中で出てきたものだ。ふたりのやりとりは概要、以下のようなものだ。 榊原氏「日本は成熟しているので成長でき