<ネタバレあります> 夢のはなしである。 実に美しい作品だと思った。 美しさ以外何もないということが、何より美しい。 「生きねば。」というキャッチコピーから最初に受けた印象とはまるで違う。 コピーが想起させるのは、喪失と失意を克己してそれでも生きる、という強い決意とメッセージだ。 だが、実際の映画は、それとは大きく異なる。喪失は、終盤、非常にさらりと描かれるだけだ。拍子抜けするくらいあっさりと。 毎度のことだが鈴木Pが作品から抽出するコピーは、映画という体験から何がかしらからを得たいと期待する人々に強く訴求する見事なもののだ。 が、一方で決して映画の本質を表しているわけではない。 主人公は、子供のころから憧れた仕事に就き、ロマンティックすぎる純愛を得、一瞬の、だが永遠の記憶に転化し得る時間を体験する。 映画は主人公の「夢」のシーンから始まり、「夢」のシーンで終わる。映画は何度も「夢」と「現
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