NECは,金属並みに高い熱拡散性を備える植物系プラスチックを開発した(リリース)。トウモロコシなどを原料とするポリ乳酸樹脂に,炭素繊維を10~30%添加して作製する。ステンレスに比べて熱拡散性が2倍高く,重量が1/5と軽い。携帯機器などの筐体向けで,2008年度中に量産技術を確立する。 石油系の1/2に軽量化 従来,石油系樹脂に炭素繊維を添加して熱拡散性の高いプラスチックを試作した例はあったが,植物系樹脂を使って実現した例は初めてという。今回の材料は,石油系樹脂を使うものに比べて三つのメリットがある。(1)重量を1/2程度に軽くできる。(2)成形性が高いために,射出成形のような低コストの製造法で作製しやすい。(3)環境負荷が小さい。 このうち,(1)と(2)は熱拡散性を高めるために必要な炭素繊維の量を1/2以下に低減できることに起因する。新たに開発した植物系の樹脂材料を添加して炭素繊維同士