5年前のリーマンショック以降、続いてきた円高。 金融危機によって世界各国に混乱が広がるなか、投資家から比較的、安全な通貨とみられた円に資金が集まりました。 ギリシャの財政危機をきっかけに起きたヨーロッパの信用不安が深刻さを増した2011年には一段と円高が進み、この年の10月には、1ドル=75円32銭をつけて最高値を記録しました。 円高の流れが変わったのは、去年11月の衆議院の解散がきっかけでした。 大胆な金融緩和を政権公約に掲げる安倍総裁率いる自民党が政権を取れば、日銀は一段の金融緩和に踏み切るという思惑が広がり、急速に円が売られました。 安倍内閣が発足した後のことし1月には、2年7か月ぶりに1ドル=90円台まで値下がり。 市場では、日銀の金融政策と総裁人事への関心が一段と高まっていきます。 そして、積極的な金融緩和論者として知られた黒田東彦氏が日銀の総裁に就任し、初めて開かれた先月4日の