セリの香りというのは、鮮やかにして奥ゆかしい。香草というと眩しさを感じるほど香りの強いものもあるが、セリのそれは蛍の光のように穏やかでありながら忘れがたい。 長靴の厚い底からぬかるみの冷たさが伝わってくる。 宮城県名取市、三浦隆弘(みうらたかひろ)さんのセリ田を訪ねた日は晴天だった。水中から茎をのばすセリは何か意を決したかのように真っ直ぐで力強い。畔(あぜ)にしゃがみ、ひとつ手折って口に入れればシャッキリした食感が気持ちよく、ほろ苦さが体に沁みて爽快だった。 「見学中は食べ放題ですよ、摘みたてを味わってください」と三浦さん。鮮度のよいセリのおいしさを知ってほしいという思いが伝わってくる。三浦さんは有機農法でセリを15年以上育ててきた。水田には初冬の寒さもなんのその、虫がいっぱい。フンが肥料になる虫もいれば、枯れたセリを分解して土に戻す虫もいる。 「セリを食べる蝶の幼虫も来ちゃうけど、まあか
![今が旬!宮城の農家さんに教わる、セリのおいしい食べ方_大地と海の恵み - OZmall](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/fa75a03fdcecb807e95b457d57be9edc595eeacf/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.ozmall.co.jp%2FContent%2Fupload%2Fimages%2F7YVROLEZ6SFJ5HHQRTBJIXWCW4.jpg)