黙秘を続ける容疑者に対し、検事が「ガキだよね」などの発言を繰り返したのは、黙秘権の保障の趣旨に反する違法な取り調べだとして、東京地方裁判所は国に110万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。 元弁護士の江口大和さんは、6年前に横浜市で起きた無免許運転の死亡事故をめぐり、運転していた男にうその供述をさせた疑いで逮捕され、その後、有罪が確定しました。 江口さんは当時、取り調べに対して黙秘を続けていましたが、横浜地方検察庁の検事から「ガキだよね」「うっとうしい」などと言われ、精神的な苦痛を受けたとして、国に賠償を求める訴えを起こしました。 国は「真実を供述するよう説得した」などとして争っていました。 18日の判決で東京地方裁判所の貝阿彌亮裁判長は、取り調べについて「事件とは関係なく侮辱的な発言を一方的に繰り返した。人格的な非難を繰り返すことで黙秘をやめさせようとしたと認めざるを得ず、黙秘権の保障
半数以上の家庭がペットと暮らすフランス。この動物好きが多い国はいま、大きく揺れています。 再来年から、ペットショップで犬や猫の販売が禁止されることが決まったのです。 (ヨーロッパ総局 古山彰子記者、経済部 茂木里美記者) ※この記事は2022年1月21日に公開したものです ペット大国フランス パリで暮らしていると、犬を見ない日はありません。 自宅を一歩出れば、飼い主と散歩中の犬と次々にすれ違います。電車に乗れば、飼い主に連れられて旅をする犬に出会います。カフェやレストランにも飼い主とともに入り、お座りして食事が終わるのをじっと待っています。 世論調査によると、フランスで何らかの動物を飼っている家庭は50.5%(2020年)。ペットショップでも、通りかかった人たちがショーケースの前で足を止めて、動き回る子犬の姿を眺める姿が見られます。 姿を消す犬や猫の店頭販売 パリのペットショップ ところが
佐渡で長年親しまれてきたトビウオのすり身が、不漁で原材料が確保できないとして先月末で製造中止になったことがわかりました。 トビウオ漁の盛んな佐渡で販売から60年以上にわたり親しまれてきた「とび魚すりみ」は、フワフワとした食感とあごだしの奥深い味わいが特徴です。 しかし、佐渡市にある製造元の「両蒲」によりますと、全国的なトビウオの不漁からすり身の原材料となるトビウオの確保が出来なくなったため先月をもって製造を中止したということです。 10日、市内にあるスーパーの陳列棚には商品の製造中止を知らせる文章が張り出されていました。 この店の担当者によりますと先月上旬に製造中止になるとの連絡が入ったということで、生のすり身は全て売り切れ、冷凍のすり身もいまある在庫限りだということです。 突然の製造中止に訪れた買い物客からは「すごく残念です。いま伺ってショックを受けています」や「佐渡の代表的な食べ物だか
大和郡山市にある県立民俗博物館が、収蔵品を保管する施設の問題から、今月16日から展示の一時休止を決めたことについて、山下知事は収蔵する資料が多すぎるとしたうえで「明確なルールを決めたうえで、価値のあるものは残して廃棄することも検討する」と述べました。 大和郡山市にある県立民俗博物館は、50年前の1974年に開館し、大正から昭和初期にかけての生活用具や農具などおよそ4万5000点の資料を収蔵しています。 しかし本館だけでは保管場所が足りず、資料の劣化が懸念されているうえ、施設も老朽化していることから、本館の展示スペースを今月16日から一時休止することを決めました。 これについて山下知事は10日の定例会見で、県民などからの要望に応じて無計画に受け取っていたとしたうえで「同じような農機具を保管し続ける意味がどこにあるのか。未来永劫(えいごう)、県が保管する必要も無いし、スペースも無い。明確なルー
過去最多の56人が立候補した東京都知事選挙は、現職の小池百合子氏(71)が3回目の当選を果たしました。 7日が投票日の東京都知事選挙は、自民党、公明党、国民民主党都連、地域政党の都民ファーストの会が自主的に支援した現職の小池氏が、広島県安芸高田市の元市長石丸伸二氏、立憲民主党、共産党、社民党が支援した元参議院議員の蓮舫氏らを抑え、3回目の当選を果たしました。 取材に応じた小池氏は勝因について聞かれると「2期8年都政を預かった間、コロナもあった。コロナ禍の中でも都民や医療関係者の皆さんに協力を頂き、5類への移行といったことも含め、8年間の実績を評価していただいた」と振り返りました。 今回の選挙戦については「私を含め56人が立候補という状況の中で、ポスターの掲示や、脅迫を受けたり、街頭ではやじの大合唱があったり、これまで経験したことがないような選挙戦だった。想定しなかった事態に対し、どう法的な
警視庁の56歳の警察官が、交番で事情を聞いていた20代の女性に対し、床に押さえつけるなどの暴行を加えてけがをさせたとして逮捕されました。調べに対し容疑を認め、「女性が無言で立ち去ろうとしたので押さえつけたりどなったりした」などと供述しているということです。 逮捕されたのは、警視庁代々木警察署地域課の警部補、吉田雅積容疑者(56)です。 警視庁によりますと、吉田警部補は勤務中の先月19日、代々木上原駅前交番で、20代の女性に対し、床に押さえつけるなどの暴行を加え、首に軽いけがをさせたとして特別公務員暴行陵虐傷害の疑いが持たれています。 警部補は当時、無関係の施設に立ち入ったとして交番に連れてこられた女性から事情を聞いていたということです。 通りかかった人から「交番の中でどなっている」と110番通報が入り、外出していた同僚の警察官が交番に戻ると、警部補が大声を上げていたということです。 調べに
痛みを伴う水ぶくれが帯状に現れる皮膚疾患の「帯状ほう疹」のワクチンについて、厚生労働省は接種費用を公費で補助する「定期接種」に含める方針を決めました。今後、接種の対象年齢などについて専門家会議で議論したうえで、正式に決定することにしています。 帯状ほう疹は、体内に潜伏していた「水ぼうそう」と同じウイルスが加齢や疲労などによる免疫力の低下で活性化され、痛みを伴う水ぶくれが帯状に現れる皮膚疾患です。 患者は50歳以上に多く、長引く神経痛などの合併症を引き起こすおそれがあります。 予防策としては、50歳以上の人や感染リスクの高い人を対象に、生ワクチンや不活化ワクチンが有効とされていますが、いずれも任意接種で、生ワクチンはおよそ1万円、不活化ワクチンはおよそ4万4000円の自己負担が必要です。 厚生労働省の専門家会議は、接種費用を公費で補助する定期接種化に向けた検討を進めてきましたが、20日の会議
大阪の印刷会社が下請けのデザイナーなど36の事業者に、2万4600回にわたって無償でデザインのやり直しをさせたとして、公正取引委員会は、再発防止を求める勧告を行いました。 勧告を受けたのは、大阪 天王寺区に本社がある食品のラベルなどを製造する「大阪シーリング印刷」です。 公正取引委員会によりますと、おととし4月から去年10月にかけて、ラベルや容器のデザインを委託していたデザイナーなど36の下請けの事業者に、合わせて2万4600回にわたってデザインのやり直しを無償で命じていたということです。 下請けの事業者にミスがないにもかかわらず、無償でやり直しを命じることは、下請け法に規定されている「不当なやり直し」にあたるとして、公正取引委員会は19日、会社に対して再発防止を求める勧告を行いました。 やり直しにかかった費用は合わせて980万円余りに相当するということです。 公正取引委員会の調査に対して
核燃料の研究や開発を手がける企業「日本核燃料開発」が、放射性物質を扱う設備などの点検を実際には行っていないにもかかわらず、実施したことにする不正を長期間繰り返していたことが原子力規制庁の検査でわかりました。この企業は3年前にも、必要な点検を行っていなかったとして原子力規制委員会から違反を認定されていました。 原子力規制庁によりますと、茨城県にある「日本核燃料開発」は、放射性物質を含む廃液を扱うタンクや建物の給排気設備など5つの設備の点検について、実際には行っていないにもかかわらず、実施したとする虚偽の内容を点検簿に記録していたということです。 もっとも長いケースでは、2009年度から14年間にわたって不正な記録が行われ、いずれも同じ担当者が行っていたということです。 この企業は、3年前にも、点検していない火災感知器について、20年余りの間、消防に正常だと報告していたため、施設の運営ルールな
アメリカのバイデン大統領の次男、ハンター・バイデン氏が虚偽の申告をして銃を不法に購入した罪などに問われている裁判で、裁判所の陪審員は有罪の評決を下しました。 アメリカで現職の大統領の子どもが有罪評決を受けたのは初めてで、秋の大統領選挙でバイデン大統領が再選を目指す中、選挙戦に影響を与えるのか注目されます。 バイデン大統領の次男のハンター・バイデン氏は、2018年に違法な薬物を使用したにも関わらず、使用していないと虚偽の申告をして銃を不法に購入した罪などに問われています。 ハンター氏側は銃を購入した時期には薬物は使用していなかったなどとして無罪を主張していましたが、東部デラウェア州の連邦地方裁判所の陪審員は11日、3つの罪状すべてについて有罪の評決を下しました。 量刑は後日言い渡されますが、裁判官は具体的な期日は明らかにしませんでした。 アメリカで現職の大統領の子どもが有罪評決を受けたのは初
桂ざこばさん、本名、関口弘(ひろむ)さんは、昭和22年、大阪市に生まれ、昭和38年に15歳で、のちの人間国宝、三代目桂米朝さんに入門しました。 昭和63年に二代目「桂ざこば」を襲名し、その後も関西を中心にテレビやラジオにも出演し幅広く活動しました。 上方落語協会に所属し、理事や相談役を務めたほか、平成20年には大阪 西成区に寄席の「動楽亭」をみずから設立し、上方落語の振興に尽力しました。 平成29年には文化庁の「芸術選奨文部科学大臣賞」を受賞しています。 平成29年に脳梗塞で入院しましたが、その後復帰して、寄席や落語会を中心に活動し、ことし2月にも高座に上がっていました。 所属する米朝事務所によりますと、ぜんそくのため、12日、吹田市の自宅で亡くなったということです。 76歳でした。 米朝事務所は「我々スタッフにもお気遣いくださる、とても素敵な師匠でした。お世話になった関係者の皆様、応援し
血液中のコレステロールを下げる物質「スタチン」を発見し、一時は「世界で最も売れた薬」ともいわれた動脈硬化の薬の開発につなげた東京農工大学 特別栄誉教授の遠藤章さんが今月5日に亡くなりました。90歳でした。 製薬会社に在籍していた1970年代初めごろから動脈硬化の原因となる血液中のコレステロールを下げる薬の開発に取り組み、1973年に青カビが作り出す「スタチン」という物質が体内でコレステロールが合成されるのを抑え、血液中の値を大きく下げることを発見しました。 発見から14年後の1987年にはアメリカで動脈硬化の薬として発売。さらに1989年には日本でも発売され、一時は「世界で最も売れた薬」と言われるまでになりました。 遠藤さんはスタチンの発見などに関する業績が評価され、2008年にアメリカの権威ある医学賞「ラスカー賞」を、2017年にはカナダの国際的な賞「ガードナー国際賞」を受賞するなど、国
国立大学協会は、物価高騰や円安の影響で財務状況が悪化しているとして「もう限界です」などと訴える緊急の声明を公表し、現状への理解や国からの運営費交付金の増額などを求めました。 全国86の国立大学でつくる国立大学協会は、7日都内で会見を開き、声明を公表しました。 声明では、国から国立大学に基盤的な経費として配分される運営費交付金が減少していることに加え「近年の物価高騰や円安などで実質的に予算が目減りし続けている」としています。 そして「質の高い教育研究活動の維持や向上のために外部資金や収入を増やす努力を進めてきた」とした上で「しかし、もう限界です」と切迫した財務状況を訴え、国や地域、産業界や国民に理解と協力を呼びかけています。 国立大学の運営費交付金は、今年度は全体で1兆784億円と20年前から1600億円余り、率にして13%減少していて、国立大学協会の永田恭介会長は運営費交付金の増額や、地域
アメリカのトランプ前大統領が不倫の口止め料をめぐって業務記録を改ざんした罪に問われた裁判で、ニューヨーク州の裁判所の陪審員は大統領経験者としては初めてとなる有罪の評決を下し、量刑を決める審理が7月に開かれることになりました。 評決後、トランプ氏は「不正で恥ずべき裁判だ」と主張し、控訴するとみられます。 この裁判でトランプ氏は、2016年の大統領選挙で不利にならないよう不倫の口止め料を支払い、その支出を隠すために弁護士費用と偽り不正に処理したとして、帳簿などの業務記録を改ざんした罪に問われました。 一般の市民から選ばれた12人の陪審員は、29日から有罪か無罪かを判断するための評議と呼ばれる話し合いに入り、2日目の30日、全員の一致した判断としてトランプ氏に有罪の評決を下しました。 アメリカの大統領経験者が刑事事件で有罪の評決を受けるのは史上初めてです。 評決後トランプ氏は「不正で恥ずべき裁判
29日、茨城県の常磐自動車道で大型トラックのドアに弓の矢が刺さっているのが見つかった事件で、警察は現場の状況などから、トラックと並走する車両から矢が撃ち込まれた可能性があるとみて捜査しています。 29日午後6時すぎ、茨城県かすみがうら市の常磐自動車道の東京方面に向かう上り線で、大型トラックの運転手から「走行中に音がしたので確認したところドアに矢が刺さっていた」と警察に通報がありました。 警察によりますと、助手席側のドアに直径1センチほど、長さおよそ50センチの「クロスボウ」と呼ばれる洋弓から放たれたような矢が刺さっていたということです。 助手席には誰も乗っておらず運転していた20代の男性にもけがはありませんでした。 これまでの調べで、トラックは片側3車線の道路の中央車線を走っていたうえ、道路脇には立ち入りを防ぐフェンスがあるため、高速道路に人が侵入することは困難だということです。 器物損壊
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