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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/idconsult (93)

  • 耐性菌報道から考える その1 - 感染症診療の原則

    医学生や研修医の参考のために解説をしたいとおもいます。 まず、感染症対策は医療機関が責任を持ってとりくむ事項のひとつで、医療法改正のあとには診療所、歯科、助産院含めて適切な対策をとらなければいけないことになっています。 コメディカル等含めて職員を対象とした研修を年2回開催(年2回受講)といった努力目標があります。 院内にはいくつか感染対策の組織があります。 一番上にあるのは「感染症対策委員会」院長や事務局長、検査部長など各部門がならんでいます。 最終的な責任はここにありますが、必ずしも詳しい人ばかりではありません。 マネジメントのしっかりしている医療機関はこの組織に最初から外部コンサルタントとして、近隣の感染症専門医を加えたりしています。 これは定期的に会議をしています。議事録を残し、日々取り組んでいるという証拠を残しておくことが大切ですし、●月●日の時点で「その問題を把握して対策を話し合

    耐性菌報道から考える その1 - 感染症診療の原則
  • 恥ずかしい国にいる、という自覚 - 感染症診療の原則

    先日、コクランレビューの作業に参加するためにでかけた東大の国際保健政策学講座。 教授の渋谷先生、准教授の森先生は「日の大学にもこんな先生達がいるんだ・・」とオドロキの、レベルの高いディスカッションが繰り広げられていました。 来の「根拠」と「総意」に基づくガイドラインとは?-森臨太郎氏インタビュー(ロハスメディカル) その先生方がMRICに投稿されていたのが、今話題のHPVワクチンの話。 HPVワクチンの話にかぎらず、いろいろな感染症の施策についても、同様の問題指摘が可能なのではないかと思いましたので、転載させていただきます。 医学生や研修医の皆さんはこういった論点整理について、機会があったらぜひ考えてみてください♪ 製薬会社との関係というのは今後ますます厳密に考えないとマズイです。 ----------------------------------------------------

    恥ずかしい国にいる、という自覚 - 感染症診療の原則
  • HPV感染についての米国CDCの最新情報 - 感染症診療の原則

    米国の公的なHPV感染症情報がCDCのサイトにあります。 他にもNational Cancer InstituteにはFact Sheetから臨床試験情報までたくさんのリソースがありました。 http://www.cancer.gov/cancertopics/hpv-vaccines/allpages ------------------------ Genital HPV Infection - CDC Fact Sheet ◆性器周辺に感染するHPVは約40種類 ◆米国では約2000万人のHPV感染者がおり、1年間のうちに新規に発生するのは6百万人 ◆男女ともに、人生のいずれかの時期にHPVに感染するのは50%以上 ◆人生において尖圭コンジローマになる米国人は全体の1% ◆米国では毎年12000人が子宮頸がんに罹患 ◆子宮頸がん以外にHPVが関連するがん 【女性のみ】 3700人 外

    HPV感染についての米国CDCの最新情報 - 感染症診療の原則
    You-me
    You-me 2010/08/19
    「ここでの1年間の罹患数をみると、メディア記事・製薬会社の出している日本の数字はやはり多すぎると思いますが。国立がん研究センターの数字の法が真の値に近いのではないでしょうか。」
  • 性感染症として広がるC型肝炎 - 感染症診療の原則

    肝炎対策は日でも課題ですが、他の先進国でもそのコントロールの努力が続けられています。 B型肝炎にはワクチンがありますが、C型肝炎にはまだワクチンがありません。 このため、拡大を防止するためには、モニタリングと迅速対応が重要です。 Medscapeの記事から。 2000年前後から、先進国で特定のリスク層において性感染ルートでHCVが拡大しており、サベイランスにおける早期探知、アウトブレイク対応などが紹介されています。 これを受け、オランダのアムステルダムでは、2007-2008年にかけて、性感染症クリニックを受診した3125人(うちMSM689人)を対象に、HIV,HCVについて調査。 陽性の場合はウイルス量の測定と遺伝子学的な分析を行っています。 この結果、HIV陰性MSMでは532人中2人(0.4%)がHCV陽性で、HIV陽性MSMでは157人中28人が17.8%となっていました。 H

    性感染症として広がるC型肝炎 - 感染症診療の原則
    You-me
    You-me 2010/08/16
    日本の話じゃないけど日本でも同じような注意が必要なお話
  • 問題のある読売新聞の社説(8月13日) - 感染症診療の原則

    最近はネットメディアもあるので、新聞を鵜呑みにする人も減ってはいるとおもいますが。 大手新聞社でもサイエンス情報の質のチェックなどはしないんでしょうかね。 取材が甘いのか、確認した人が素人なのか。関係者にもきいてみます。 読売新聞の社説がHPVワクチン普及関連について記載をしています。社説 ーーーーーーーーーーーーー 「子宮頸がんは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスの感染が原因で起きる。」 これだけだとノイローゼになる人を増やしてしまいます。 もともと検診結果の伝え方のまずさで混乱したり恐怖におののく人が多いことが知られています。 HPVについての説明は誤解のないよう配慮をしないといけません。 正しくは、特定のHPVが関与していることがわかっている、くらいです。 「HPVは主に性交渉を通じて感染するが、10歳代前半でHPVワクチンを接種すれば、6~7割の感染を防ぐことができ

    問題のある読売新聞の社説(8月13日) - 感染症診療の原則
  • 公的なワクチンの情報をさがしてみた (長文注意) - 感染症診療の原則

    HPVワクチンについて現場ヒアリングで見えてきたことの中間報告。 地域の公衆衛生や医療関係者への相談や打診なく、議員や首長が政治パフォーマンスとして公費にしたがっている、という問題が各地で指摘されています。 その結果、十分な情報提供がないまま、とにかく接種してしまえ的にあつかわれている今年の中学1年(地域によっては小6)の女子とその親御さんがいます。 かわいそうな状況だと気づいていないかもしれませんが。 県でいっせいに公費だぜい!とか盛り上がっている某県はホントにお気の毒です。 (予算がないから今年はしないよ・・・といっている自治体の人は実は結果的にラッキーかも) 製薬会社の作ったスライドそのままで教育講演をしてまわっている医師もいるそうです(怖い・・・)。 いずれにしても、接種すべきか?と考え悩む保護者は、ネットで情報を探し始めます。 そうすると、ホメオパシーはじめ、否定的な情報があふれ

    公的なワクチンの情報をさがしてみた (長文注意) - 感染症診療の原則
    You-me
    You-me 2010/08/12
    日本のお役所が苦手なところ
  • ホメオパシーと感染症 その2 - 感染症診療の原則

    ホメオパシーは予防接種以外の感染症についてもいろいろと解釈や理屈がありまして、感染症関係者としては「なになに?」です。 連休の合間にお時間のある人は脱力しながら読んでみてください(脱力しすぎて椅子から落ちたりしないように)。 まず、「マヤズム」。これは一人ひとりが先祖から受け継いできた“負(病気)の土壌”であり、他の医療体系にはない考え方、となっています(ホメオパシーは並列される医療であるという前提か?) 疥癬マヤズム、梅毒マヤズム、淋病マヤズム、結核マヤズム、ガンマヤズムの5つだそうです。 解説があります まあ!感染症屋的には日常的な病気のお名前がずらり。 NATROMの日記 マヤズムについて簡単に調べてみた それはさておき。 編集長&編集部ともに日常的に関わるHIV感染症の患者さんたちが代替医療好きな人が多く、いろいろなことをおしえてくれます。(教えてねと伝えておく) かなり怖いパター

    ホメオパシーと感染症 その2 - 感染症診療の原則
  • ホメオパシーと感染症 その1 - 感染症診療の原則

    先日ひとばんに約1万アクセスがあったのは、2ちゃんねるでリンクがあったからのようでした。下ネタも書いていないのに(!)おかしいな・・・・と編集長と話していたのですが。 ---------------- ホメオパシーの有効性うんぬんはすでに結論が出ていますので、承知で趣味で使う成人のリスクテイク(経済的負担含め)はさておき、他人に勧めたり(販売したり)というのは問題でしょうね。 そして、「来受けるべき医療を妨げるリスク」ことも問題(医療ネグレクト)。 昔々、ナイチンゲールは次のようにいっているそうです。 「・・・(略)その「丸薬」は、どうしても善行を施して満足したい人たちが必要とする一粒の愚行なのであろう。というわけで、どうしても他人に薬を与えたいという女性には、ホメオパチーの薬を与えさせるとよい。さしたる害とはならないであろう。」。『看護覚え書―看護であること・看護でないこと』(現代社)

    ホメオパシーと感染症 その1 - 感染症診療の原則
  • 予防接種すると何が問題か  - 感染症診療の原則

    編集部です。 質問がたくさんコメント欄にきていますが、個別Q&A対応していないのと、情報も研修医・医学生が感染症の勉強をする上での切り口や小ネタ紹介が目的ですので、すべてを反映・回答できません。いただいた質問や意見のうち、今後、医学生や研修医・医療関係者が知っておいたらよさそうなことについては、後日記事を書くときに参考にさせていただくかもしれません。あしからず。 (予防接種に限らず、個別の問題は主治医と相談が基です) -------------------------------------------------------------------------------- 予防接種をしないと何か問題?のつづきです。 予防接種全部がイヤな人、よくわからないので勧められたものは全部しときます、無料ならやるけど有料なのはやらない、という人、リスク&ベネフィットベースで取捨選択している人とい

    予防接種すると何が問題か  - 感染症診療の原則
  • 「予防接種しないと何か問題か?」という親の質問 - 感染症診療の原則

    (新潟症例情報のところ一部修正) 予防接種を子どもにしたくないという親から「しないと人生上なにか不都合があるのでしょうか?」と聞かれました。 集団免疫の話などはまた別の機会に。ここではご人のリスクを考えてみたいと思います。 「医学部とか看護学部とか教育学部の進学はあきらめますかねえ・・・」(実習できない→免許はとれない) 「アメリカやオーストラリアなどメジャーなところの留学とか駐在も難しい、問題がおきると大ごとですかねえ・・・」 「妊娠育児のとき怖いでしょうねえ・・・」 といったらそんなことは考えたこともなかった、といわれました。 (まあ、その頃には人が自分の意思で接種できますが。それまでが怖い) 医療関係者としては「怖い」が先にきます。 怖さの実感が一般の人と医療者でずいぶんことなります。 医療機関には当然のことながら重症になった人がきます。 このため、医療者は子どものときに予防接

    「予防接種しないと何か問題か?」という親の質問 - 感染症診療の原則
    You-me
    You-me 2010/07/15
    子供の頭に向けてロシアンルーレットをやってはいけません
  • 高校生のセックスは認めない(山形県) - 感染症診療の原則

    読売新聞・山形版に「高校生の性行動認めず」という記事がありました。 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20100310-OYT8T00091.htm ま、認めていただかなくてもしようとおもえばできます。 よく誤解されることに、都会はススんでいて、性行動が早いとおもわれていることがあります。実際には都市部のワカモノは忙しく、レジャーもその他たくさんありますので、開始が早いのは非都市部なんですね。 ある地域の●ータリークラブの方の言葉をかりると、「ここらじゃね、デートやセックスがレジャーなんだよ。ほかにはなにもないの」です。 ・・・レジャー。・・安全なレジャーにしないといけませんね・・といって帰ってきました。 この記事のデータソースは、山形の開業医さんが学校医の集まりで発表した演題のようです。小学校の保護者564家族が対象で、回答者は

    高校生のセックスは認めない(山形県) - 感染症診療の原則
  • 各党の考えるエイズ対策(公開質問状への回答) - 感染症診療の原則

    どの政党のマニフェストにもエイズのエの字もなかったからか、ジャンププラスというHIV陽性者支援団体が各政党宛にエイズ対策の公開質問状を送ったそうでその結果がホームページで公開されています。 http://www.janpplus.jp/project/advocacy/090818answer.pdf 回答があったのは、自由民主党、民主党、社会民主党、日共産党で、びっくりしたのは日共産党の回答です。 性教育の不備の具体的な指摘、ハイリスク層である男性同性間性交など回答がとても明確です。 誰か中心にこの問題を継続的にフォローしているのかもしれません。 民主党は勉強不足あるいはあまり関心がない。新型インフルは熱心だけど。 自民党は・・これ日語ですか? 質問にかみあった文章ではないですね。 最初のデートでの会話だと、「今後はもうない」に等しいような。 この政党がやっていたら「現状」なのか?

    各党の考えるエイズ対策(公開質問状への回答) - 感染症診療の原則
  • 大館市の麻しん対策 - 感染症診療の原則

    受験シーズンで若い人が一箇所に集まったり遠距離移動をしますので、麻しんが各地に拡大していくことが想像できます。試験がうけられなくなったら大変です。 予備校や小・中・高でも受験生には優先的に声かけをしてはどうでしょう。 麻しんの事例に対して傍観する地域(保健所・医師会)と、何かしなくては!と動く地域にはものすごい格差があることを知るニュースを紹介します。 昨年11月に青森県弘前エリアの小学校で麻しん集団発生、というニュースがありました。 http://www.mutusinpou.co.jp/news/07110805.html 1月1日からはじまった麻しんの全数報告で各地の麻しん流行の状況が把握されつつありますが、秋田の大館での集団発生がニュースになっています。 詳しい人に聞きましたら、ここは秋田県だが弘前文化圏なのだ、人の行き来があるのだそうです。 1月22日のニュース 「ワクチン未接種

    大館市の麻しん対策 - 感染症診療の原則