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ブックマーク / yashoku.hatenablog.com (13)

  • 食と放射性物質の問題 〜科学者のスタンスとは〜 - 夜食日記

    福島原発事故によって、「信頼」が大きく低下したのは、東電、そして原発の御用学者たちでしょう。3.11後、私も科学者の一人として、原発事故や放射性物質に対して、社会における「科学者のスタンス」を再認識しています。 一般の方が、原発問題で今一番気になっているのはやはり、私たちの体の中に入ってくる、品中の放射性物質による内部被曝の問題ではないでしょうか。 科学者が「信頼」されるためには、価値観や自分の利益に惑わされないで、「真実」を語り続けなければなりません。 たとえば私の場合、私のふるさと福島の農産物の安全は、私の故郷への想いとは全く切り離し、「放射性物質の含量が、基準値に対して高いか低いか」で判断するのが科学者としてあたりまえのことであり、そこに自分の信念や価値観が入る隙はないということです。 もちろん、「その基準値がなぜその数字なのか」を科学的に説明できることが大前提にあります。そのため

    食と放射性物質の問題 〜科学者のスタンスとは〜 - 夜食日記
    You-me
    You-me 2012/03/14
    「反原発かどうかは価値観の問題である.一方,低線量放射線がどの位危険かは科学の問題である.価値観で科学的結論を歪める人がいたとしたら,それは科学者ではない、と私は信ずる」「科学者が放射線の危険性を課題
  • 「これからの非常食・災害食に求められるもの」 - 夜食日記

    注文していたが届きました。 「これからの非常・災害に求められるもの―災害からの教訓に学ぶ―」と「これからの非常・災害に求められるもの2―災害時に必要なの確保―」というタイトルのです。 どちらも新潟大学地域関連フードサイエンスセンターが編集しています。新潟大学で開催された特別シンポジウムの講演・総合討論をもとに編纂されてます。 目次を紹介します。 これからの非常・災害に求められるもの―災害からの教訓に学ぶ― 第1章 阪神大震災 被災者の視点から 第2章 日の国際緊急援助隊における糧について 第3章 避難所での口腔ケアとについて 第4章 被災生活におけるの問題―中越地震「被災生活アンケート」から― 第5章 非常の現状と課題 第6章 災害への取り組み 第7章 今後の非常、災害へ向けて―シンポジウムの総合討論から これからの非常・災害に求められるもの2―災害時に

    「これからの非常食・災害食に求められるもの」 - 夜食日記
  • おばあ曰く「福島ナンバーは来ねぇでくれって言われたんだ」 - 夜食日記

    福島の実家に帰省中、母親や「おばあ」と話して、トーンが一番暗くなったと感じたのが、風評被害の話の時でした。 母親は、「去年とれた米だって、福島県産っていうだけでもうぜんぜん売れてねんだ。福島県産はもうだめだ」と、怒りとも悲しみともわからない口調で言葉を吐き出していました。 おばあは、「他県に仮設住宅の資材を取りにいった車が、『放射能が怖えから、福島ナンバーは来ねぇでくれ』って言われたんだ。だから、群馬でわざわざ群馬ナンバーの車に乗り換えて福島に資材を運んだ。福島ナンバーやいわきナンバーの車は、どごがらも嫌われてんだ」と、私に言葉を漏らしました。 私もWebサイトで「福島県人は被害者ヅラしてる」とか「福島県の人は、こっちに来てほしくないよね」などは目にしていました。その度に、心はざわつきましたが、まあいろいろな意見があるのがネット世界と流していました。 しかし、パソコンを触ったこともない情報

    おばあ曰く「福島ナンバーは来ねぇでくれって言われたんだ」 - 夜食日記
    You-me
    You-me 2011/04/13
    たとえFUKUSHIMAがレベル7だろうと福島県産の農産物は食べられるとかそーゆーことは私たちがしっかり共有しなきゃいけないこと。放射能はケガレでもなんでもなく科学的に測定できる実体だと
  • ”低残留農薬”の農産物はより安全? - 夜食日記

    ある方から電話で以下のような相談をされました。 「作っている農産物の残留農薬を測ってもらえないか。おそらく少ないはずだから、”低残留農薬”ということをPRして、その農産物の販売を伸ばしたい」というような趣旨でした。 いろいろ突っ込みたくなる衝動に襲われましたが、「測定ができるか、できないか」というご質問だったので、「できないことはないですが、今まで農産物中の農薬の分析はやったことはありませんよ」とお答えしたら、「あ、そうですか」といって別の話題へと変わっていきました。 残留農薬のようなリスク分析の話は、決して電話口でわかってもらえるようなシロモノではなく、高い壁があることをこれまでの経験で痛いほど知っています*1。しかし、わかってもらえなくても、科学者として説明しなければならなかったのではないかと電話を切ってから思いました。 「基準値以下の残留農薬の量を比較しても、意味ないですよ」と。 ま

    ”低残留農薬”の農産物はより安全? - 夜食日記
  • 朝日新聞「料理と科学が出会う時」を科学者が読んだ感想 - 夜食日記

    一昨日の3月7日、朝日新聞グローブの第59号に「料理と科学が出会う時」という特集記事がありました。記事は、Web版でも一部ご覧になれます*1。 目次は次のようなものです。 [米国・マサチューセッツ州]黒いエプロンには、数式があしらわれていた [スペイン・カラモンジョイ]世界一生んだ二つの研究所 [フランス・パリ]「人工物の方が体にいい」 [ベルギー・ブリュッセル]最新技術品業界から [スペイン・サンセローニ]科学偏重に大地の逆襲 [福岡・那珂川]土のついた野菜のおいしさを分子レベルで引き出す [奈良・富雄]記憶と香りが味を形作る [東京・日橋]テクニックを見せるより「おいしい」という言葉を [福岡・博多]居酒屋で零下196°Cの液体窒素メニュー [京都・東山/東京・赤坂]「60°Cで1時間」。研究結果で、出汁の取り方を変えた 実際に、「分子調理学」という料理を分子レベルで教育研究して

    朝日新聞「料理と科学が出会う時」を科学者が読んだ感想 - 夜食日記
  • 「甘いものでほっとする」の科学 - 夜食日記

    今日のasahi.comのニュースから*1。 甘いものでほっとして 被災地に焼き菓子177箱送る 東日大震災の被災者らに「甘いものでほっとして欲しい」と、神戸や大阪、京都、北海道などの菓子店16店が28日、クッキーやマドレーヌなど日持ちする焼き菓子計177箱を宮城県石巻市に送った。菓子は兵庫県に託し、支援物資とともにトラックで被災地に向かったという。 呼びかけたのは、関西の菓子店や催しを紹介するホームページ「関西スイーツ」を運営する「CUADRO(クアドロ)」の三坂美代子さん。震災直後、複数の菓子店から「お菓子を送りたい」という声が相次ぎ、まとめ役を引き受けた。焼き菓子は総額約180万円になるといい、1店で75箱を用意した菓子店もあったという。 三坂さんは「阪神大震災では、震災後に初めて甘いお菓子を口にした被災者から『ほっとした』という声を聞いた。甘いものには心も体も安らげる力がある」と

    「甘いものでほっとする」の科学 - 夜食日記
  • 食の安全を「グラデーション信号機」で考えよう - 夜食日記

    今日、野菜などから検出される放射性物質の上限を定めた品衛生法に基づく「暫定規制値」を、厚生労働省は、問題ないと判断しました。 自治体からの規制値緩和の要望や、それとは反対の消費者団体の意見などもありましたので、このようなニュースを見ると、「有害成分の規制値って簡単に変えていいの」「そもそも規制値や基準値ってどのように決めているの」と思う方もいるでしょう。 その辺を、ちょっと考えてみます。 どうやって基準値を決めているのか 品添加物の安全性試験の例で説明します。 品添加物の安全性評価は、人では毒性試験などはもちろんできないので、マウスやラットなどの実験動物を用います。 まず、品添加物の実験動物に毒性の影響を与えなかった最大の量(最大無毒性量)を求めます。次に、この最大無毒性量に安全係数1/100をかけて、人が一日にその量以下ならばべても有害ではない量の一日摂取許容量を求めます。 一

    食の安全を「グラデーション信号機」で考えよう - 夜食日記
  • これからの「ミルク」の話をしよう ― いまを生き延びるための“乳”学 - 夜食日記

    今、首都圏や東北などの東日のスーパーやコンビニでは、牛乳や乳製品が不足しているところが多いようです。私も久しくヨーグルトというものにお目にかかっていません。 牛乳主要メーカーの各工場が計画停電で十分に稼働できないこと、飲料用の紙パック製造会社が被災していること、さらに、福島原発の放射能漏れ事故の出荷停止の影響で原料も足りなくなっていることなどが原因のようです。 当たり前にあると思っていた牛乳やヨーグルトが、品薄だったり、陳列棚にないという現状。「全然ウチの近くのスーパーにいっぱいあるよ」という所も多いでしょうが、こんなときだからこそ、身近な「ミルク」についてちょっと想いを馳せたいと思います。 ミルクとは、この世に存在する唯一の“べ物” 私は、農学部の動物系の学科の出身です。その学科の大学時の講義で、「ミルク科学」という講義名の必修科目がありました。授業のネーミングが柔らかすぎて、当時「

    これからの「ミルク」の話をしよう ― いまを生き延びるための“乳”学 - 夜食日記
    You-me
    You-me 2011/04/12
    ミルクは殺生せずにいただける食べ物って視点はおもそろい/唯一じゃないよね…蜂蜜…ほかになにがあるだろ
  • 地震、津波、原発事故は防げないが、風評被害は私たちが唯一防げる災害です - 夜食日記

    私の実家は、福島の中通りです。 実家は母と祖母が二人暮らしで、近くに姉夫婦が住んでいます。姉は地方公務員なので、避難住民への対応に追われているでしょう。 福島の浜通り地方では、地震災害、津波災害、そして原発事故の「三重苦」です。 放射性物質の過剰な反応により、原発周辺の住民に物資が届かないという「風評被害」が加わりました。 安全なはずの首都圏で、料の買いだめ、ガソリンスタンドに長蛇の列とのニュースもありました。 今、日人の多くの人が出来る唯一の災害への援助は、放射性物質の正しい知識を学んで、理性的に対応することです。 きっと、世界中が私のふるさとを今後「汚染地」として扱うのでしょう。胸が張り裂けんばかりです。 自分の大切な人が原発の近くで恐怖に耐えながらそこにいざるを得ないのを想像して下さい。 どうか、落ち着いて理性的な対応をお願いします。

    地震、津波、原発事故は防げないが、風評被害は私たちが唯一防げる災害です - 夜食日記
    You-me
    You-me 2011/04/12
    いい言葉です>風評被害は私たちが防げる
  • 「食」の問題に、文系、理系の区別なんて関係ない! - 夜食日記

    昨年の4月に、今勤務している「宮城大学 産業学部 フードビジネス学科」に異動してきて、はや1年が経ちました。 新しい環境に身を置き、これまでに経験したことのないフレッシュな体験をいろいろとしました。1年を通してみて、宮城大の産業学部は、私にとってかなりエキサイティングな職場でした。「」マニアを自称する自分にとっては、「鼻血が出るほど」という形容詞を使ってもいいほどです。 このブログは私の忘備録ですので、着任1年目の新鮮な気持ちを、忘れないうちに簡単にまとめてみることにします。 私が他大学から宮城大に移ってきた理由の一つに、全国で唯一の看板を掲げている「産業学部」の理念に非常に興味を持ったことがあります。特に、所属する「フードビジネス学科」の理念に、「文理融合」というものがあります。 フードビジネス学科は、現代社会の強いニーズに対応し、これまでの「」に関連する教育・研究組織とは異な

    「食」の問題に、文系、理系の区別なんて関係ない! - 夜食日記
  • おばあ曰く「戦争の時よりひどい」 - 夜食日記

    この前の日曜日、福島の実家に3.11以降初の帰省をしました。 母と祖母、近くに住む姉夫婦も来ていて、いつものように「のり巻き」と「いなり寿司」で迎えてくれました。 中通りなので津波の影響はなく、家の損壊も多少壁が崩れヒビが入ったようですが、建物的には全く問題はないようでした。しかし、やはり原発事故で家族は精神的にだいぶやられているようでした。 家に入る前に、玄関横の壁にある新聞入れのポストがガムテープでびっしりと塞がれているのに「あれ?」と思いましたが、それは放射性物質の侵入を防ぐためのものだと後から気が付かされました。 実家は福島原発から60キロぐらいの距離にありますが、外出は極力控えるようにいわれているようで、家族はずっと一日家にいる毎日のようです。しかたなく母親は家でテレビばかり見ているようですが、テレビでは原発ニュースばかり目にするので、「頭が痛くなる」と言っていました。 80才を

    おばあ曰く「戦争の時よりひどい」 - 夜食日記
  • カニの味を合成したら、確かにカニだった - 夜食日記

    べる人を夢中にさせるカニ。そのカニの味を、人が簡単に合成できると知ったら誰しも驚くのではないでしょうか。 今日の大学1年生対象の少人数教育産業基礎演習」でのお話です。この演習科目は、基的には各教員が何を教えても構わないというフリーな科目で、私はべ物の「おいしさ」に関連したディスカッションや簡単な実験をしています。 今日のテーマは、今が旬の「カニ」について。 カニの味を再現することができる成分表(カニ味再現表)というのが、明らかになっています。具体的には、下の表のとおりです。 必須成分 組成(mg/100 ml) グリシン 600 アラニン 200 アルギニン 600 グルタミン酸ナトリウム 30 イノシン酸ナトリウム 20 塩 500 第二リン酸カリウム 400 4つのアミノ酸と1つの核酸、そして2つの塩類、たったこれだけです。これを混ぜあわせただけで、はたしてカニの味になるの

    カニの味を合成したら、確かにカニだった - 夜食日記
    You-me
    You-me 2010/12/01
    おもしろそー/「おいしさの科学」か。買ってみよ
  • 「皆さんが食べているトマトには毒が入っています」 - 夜食日記

    日々、人に伝えるのが難しいなぁと思っていることがあります。 今日講義で、焼き肉や焼き魚のコゲに含まれる発がん物質の話をしました。どんな化合物の物質が生成していて、どんな生理的作用があってという話がメインですが、補足として、人はどのぐらい品からその発がん物質を摂取していて、実験動物で発がんするにはどのぐらいの量が必要かを具体的な数字で説明しました。 実際、焼き肉のコゲを今の100倍ぐらい毎日べても、発がんするかしないかのレベルですよと伝えたつもりですが、講義後に毎回書いてもらっている質問・コメント票には、「発がん物質→怖い」という脊髄反射的コメントがいくつかありました。 毒性と量の関係の説明は、伝わらない人には当に伝わりません。有害物質がほんのちょっとでも入っているとを聞くと、量のことは全く考えず拒絶する人が少なからずいます。とにかくリクスを避けたいという心境は分からないことはないので

    「皆さんが食べているトマトには毒が入っています」 - 夜食日記
    You-me
    You-me 2010/11/22
    ショックを受けたという人たちに「そんな奴ァいねぇ!! 」の佐藤一郎回ばかり集めたものを読ませたひ
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