福島原発事故によって、「信頼」が大きく低下したのは、東電、そして原発の御用学者たちでしょう。3.11後、私も科学者の一人として、原発事故や放射性物質に対して、社会における「科学者のスタンス」を再認識しています。 一般の方が、原発問題で今一番気になっているのはやはり、私たちの体の中に入ってくる、食品中の放射性物質による内部被曝の問題ではないでしょうか。 科学者が「信頼」されるためには、価値観や自分の利益に惑わされないで、「真実」を語り続けなければなりません。 たとえば私の場合、私のふるさと福島の農産物の安全は、私の故郷への想いとは全く切り離し、「放射性物質の含量が、基準値に対して高いか低いか」で判断するのが科学者としてあたりまえのことであり、そこに自分の信念や価値観が入る隙はないということです。 もちろん、「その基準値がなぜその数字なのか」を科学的に説明できることが大前提にあります。そのため