シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。 ビジネスモデルの破壊者たち シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。 バックナンバー一覧 右を向いても左を向いても、電子書籍が取りざたされている。ところがこんな時代に数々の変化球を投げて注目を集めているのが、書店チェーン大手のバーンズ&ノーブルだ。 書店チェーン大手と言えば、日本では紀伊国屋や旭屋書店などを思い浮かべるだろう。バーンズ&ノーブルも、大規模な路面店を全国に展開しているという点では、同じような存在である。 ところが、電子書籍時代の到来で書店の存
シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。 ビジネスモデルの破壊者たち シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。 バックナンバー一覧 日本では電子書籍が盛り上がりを見せているが、アメリカではそれを超えて、「電子自費出版」の波が訪れている。 電子自費出版とは、インターネットで自作の原稿をアップロードし、それが見る見るうちに書籍として出版されるというプロセスである。アマゾンはすでにDTP(デジタル・テキスト・プラットフォーム)というサービスを開始しているし、大手書店チェーンのバーンズ&ノーブルも近く「p
その悪夢が、現実となりつつある。作家の村上龍氏が、自らの作品を、紙の書籍に先駆けて、米アップルの多機能端末「iPad(アイパッド)」向けに独占的に配信することを計画している。村上氏は、『コインロッカー・ベイビーズ』や『イン ザ・ミソスープ』をはじめ、これまでに多数の作品を出版社経由で発売しているが、最新の長編小説『歌うクジラ』については、ソフトウエア会社と協力し、電子書籍として最初に発売する。 日本経済新聞によると、電子書籍には、映像や音楽家の坂本龍一氏が作曲する楽曲なども盛り込まれる。価格は1500円で、アップルの承認が得られ次第、配信が開始される。この件に関し、アップル・ジャパンや村上氏にコメントを求めたが、返事は得られていない。 これ以前にも、出版業界の既存ビジネスモデルの転換に向けて、著名な作家による取り組みがいくつか行われているが、村上氏の今回の決断は、これまでの動きのはるか先を
デジタルパブリッシングフェア2010の開催に合わせてGoogleが、電子書籍販売プラットフォーム「Googleエディション」の日本を含む展開計画を明らかにした。米国では今年の夏後半、日本では2011年の早い段階に同プラットフォームを通じた電子書籍販売が始まる見通しだ。 GoogleエディションはGoogleブックスに登録した書籍を電子書籍として販売するサービスで、WebまたはEPUB形式で提供する。EPUB形式はAdobeのDRMソリューション「Adobe Content Server 4」をサポートするため、DRM付きの電子書籍には同技術をサポートするデバイスが必要になるが、Web版はWebブラウザを備えた幅広いデバイスで読める。また出版社がGoogleエディションを通じて直接電子書籍を提供できるほか、オンライン書店や電子書籍ストアが、それぞれに設定した価格でGoogleエディションの電
高まる大日本・凸版の存在感、電子書籍で印刷会社にすがるしかない出版社の実態(1) - 10/06/29 | 16:20 「どうして印刷会社が入っているのか」――。 アップル「iPad」発売前日の5月27日に急きょ開かれた共同会見。この場でソニー、KDDI、朝日新聞社、そして凸版印刷の4社は7月1日付で電子書籍配信の企画会社を作り年内には事業を開始する、という構想を発表した。 居並ぶ面々を見ると、読書端末を作るソニー、キャリアとして課金プラットフォームを持つKDDI、新聞や出版物などのコンテンツを持つ朝日新聞社はわかりやすい。それに対し、紙の書籍や雑誌を印刷している凸版が参加している理由は、“素人目”にはわかりにくい。 質疑応答の際にも、出席者から「凸版はこの新会社でいったいどのような役割を果たすのか」という質問があったくらいだ。 が、実は“玄人目”には、凸版印刷がこのプラッ
インターネット時代が訪れる前の話。イタリアの哲学者ウンベルト・エーコは、アップルとマイクロソフトの違いをカトリックとプロテスタントの違いに例えた。 マイクロソフトのパソコン用OS(基本ソフト)MS-DOSを基にしたオープンな世界では、「救済」に至る道も百人百様。だが、唯一の正統な教会たるアップルのマックOSの世界では、「信者は何から何まで教会の指示に従わなければならない」。 今や「キリストのタブレット」とまで呼ばれるほどのiPadの好調とともに、アップルのカトリック的傾向は加速しているようだ。 発表前のiPadは、単なる企業秘密というより宗教的神秘に覆われていた。宗派の指導者たるアップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は、今や十字架と同じくらい認知度が上がったアップルロゴの下に集った「ミサ」で、彼の「奇跡的で革命的な」新製品に祝福を与えた。 この比喩に従えば、iPad向けにコ
米国で月刊誌「WIRED Magazine」iPad版の配信が26日(現地時間)に始まった。同誌を提供する米Conde Nastは、すでに「GQ」のiPhone/iPad版をApp Storeで配信しているが、スワイプを用いたページ移動などタッチスクリーン操作を採り入れた程度の印刷版の焼き直しである。WIRED MagazineがサポートするのはiPadのみ。大きなタッチスクリーンを備え処理性能に優れたiPadで新たな雑誌の購読体験を実現するべく、コンテンツや広告を組み直した。iPad版雑誌の真打ち登場と話題になっている。そのタブレッド時代のデジタル雑誌を早速体験してみた。 iPad発売前からiPadに最適化したデジタル雑誌提供が期待されていた「WIRED Magazine」 iPad版WIRED Magazine 2010年6月号の価格は印刷版と同じ4.99ドル(600円)。写真とビデオ
米国で月刊誌「WIRED」のiPad版の配信が5月26日(現地時間)に始まった。写真やイラストを多用したカラフルなレイアウト。全てのページが縦向き・横向きの切り替えに対応し、向きを変えても各ページのレイアウトは崩れない。スライドショーや動画などもふんだんに用いられており、iPadの登場によって実現した新たなマルチメディア雑誌と米国では話題になっている。発売から24時間で24,000部を販売したというから上々のすべり出しと言えるのではないだろうか。 では、iPad版WIREDはこれからの雑誌が進む方向なのだろうか? iPad版WIREDは読んでいて楽しいし、同じ価格(4.99ドル)を支払うなら個人的にはiPad版を選ぶ。一般的にもiPad版WIREDのマルチメディア雑誌としての機能、iPadでの読書感に対する評価は概ね高い。しかし、これが未来の雑誌であるかというと疑問符も付けられている。例え
コンデナストの「iPad版Wired」、初日販売2万4000部だそうですよ? すごいですね。 押しも押されぬiPad雑誌アプリの最高峰なわけですが、プレビューで見たデモが余りにも好評だったせいか、「え? これだけ?」と肩透かしなところもあります。 iPad雑誌アプリ第1陣で話題を独占した「Popular Science」(こちらはiPadと同時発売の7月号が1万7000部売れた)のイメージ刷新も中途半端に終わって、ビビンとくるものはあったのですが、あの嫌な予感がWired(ワイヤード)でさらに増幅された気がします。 「これはちょっと...」と思ったことを並べておきましょう。 1. 高い。Wiredアプリは5ドルもする 紙は年間定期購読10ドルで済むのに、App Storeから買うと60ドル! コンデナストはNew Yorkerの方は紙とデジタル両方まとめて買うと安くなる価格も準備中みたいな
コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。 宮脇 睦(有限会社アズモード) 2010年5月28日の読売新聞朝刊(首都圏版)のテレビ欄より抜粋した「iPad」に接続された言葉です。教育テレビを除いた6局13番組で「iPad」を見つけ、可能な限りチェックしたニュース番組ではすべて表参道の行列を紹介し、iPadを絶賛するコメントが流されました。同じく新聞全紙が礼賛記事を掲載します。 「iPad」はパソコンからキーボードをなくしたイノベーターとして歴史に刻まれるかもしれません。「キーボード」は
「私が電子出版に特化した出版社『ボイジャー』を立ち上げたのは、92年10月のことです。それ以来、電子出版に必要なビューアソフトの開発を続け、電子書籍の普及に力を注いできました。そして、いま電子出版...日本のミスターデジタル出版 萩野正昭(ボイジャー代表取締役) ノー・アマゾン、ノー・アップル、ノー・グーグル 「私が電子出版に特化した出版社『ボイジャー』を立ち上げたのは、92年10月のことです。それ以来、電子出版に必要なビューアソフトの開発を続け、電子書籍の普及に力を注いできました。そして、いま電子出版はキンドルの台頭やiPadの発表(米国で今年3月発売予定)で、ひとつの重大な局面を迎えています」 こう語るのは、ボイジャー代表取締役の萩野正昭氏。電子本ビューアソフト「T-Time」の開発など、18年にわたって萩野氏は電子書籍の第一線で先駆的な試みを続けている。日本の「ミスター電子出版」と
アマゾンが翻訳出版事業 : DON. News Release Introducing AmazonCrossing–Bringing Exceptional International Books to English-Language Readers Amazon Announces a Second Publishing Imprint Focused on Translating Foreign-Language Books into English アマゾンが英語以外の出版物を英語に翻訳する「AmazonCrossing」というサービスを開始するとのこと。もちろんKindleでも読めるそうです。 日本の作家、もしかしたら漫画家たちにとっては朗報になるかもしれませんね。 日本のノンフィクションやルポルタージュも、英語に翻訳してほしいところです。別にアマゾンじゃなくてもいいんですけ
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