[東京 13日 ロイター] バーゼル銀行監督委員会が発表した新しい銀行の自己資本比率規制「バーゼルIII」が市場の想定の範囲内で決着したことで、邦銀の増資懸念は払しょくされたとの見方が強い。 しかし、11月にソウルで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に向けて、金融システム上重要な金融機関(SIFIs)に対して追加的な資本賦課を求める方向で金融安定理事会(FSB)が議論していることや、非中核的自己資本である優先出資証券や劣後債などの負債性資本の自己資本への参入基準が厳格化されたことなどもあり、市場の一部では依然、さらなる増資への懸念がくすぶっている。 <金融システム上重要な金融機関への資本賦課の議論> 今回まとまったバーゼルIIIの内容について、金融庁幹部は「邦銀にとっては、増資ではなく利益の積み上げなどの経営努力でクリアできる水準」とコメントした。ひとまず大規模増資の懸念が後退したと