1980年代後半の若者の空気感をとらえた作品として名高い岡崎京子の漫画『Pink』の仏語訳が2月、フランスで出版された。その際、日本式の「右開き」でページを開く版=写真上=と、欧米流の「左開き」版=同下=を同時刊行するユニークな試みが行われた。 日本の漫画は、「右開き」で右から左へ絵を読む。だが、欧米流の「左開き」は左から右へと正反対に進む。文章を左から書く欧米人は、「右開き」漫画に相当な違和感を覚えるという。 フランス著作権事務所のコリーヌ・カンタンさんは「右開きを左開きに変えると、出版部数が2〜5倍増える」と話す。そこで、日本漫画の画法をそのまま味わいたい読者向けの「右開き」版と、フランス人にとって自然に読むことのできる「左開き」版を作った。 といっても、「左開き」版の制作はなかなか複雑だ。日本版の漫画で登場人物が進行方向の左を向く場合、欧米流の版では、絵を「反転」させ右向きにさせる。
「月刊少年ジャンプ」(集英社)に連載され、アニメ化もされた『鬼神童子ZENKI』や、「週刊少年ジャンプ」(同)に掲載された『サスケ忍伝』『魔神竜バリオン』『変幻戦忍アスカ』など、ちょっぴりエッチな作風で知られるマンガ家・黒岩よしひろ。現在はエロ系マンガのほか、『マクロスF 超次空歌巫女ランカ』なども手掛けた彼が「昔の生原稿を売りたい」と明かし、ネット上で話題を呼んでいる。黒岩は自身のブログで次のように明かす。 「昔の生原稿を売りたい。サスケとバリオンとアスカ。しかし、どこなら買ってくれるんだろう。こういう原稿を買ってくれる所を知らないからなあ。できれば高く売りたい。誰か高く買ってくれないかなあ。コミックス1冊分をまとめてドカーンと買って欲しいんだ。買いたい人がいたら、連絡して欲しいなあ。高く買って欲しいんだよなあ」 さらに黒岩は購入者を「個人でも誰でもいいんだ」と綴り、1枚1万円以上で、『
小説の可能性めぐり議論 「中上健次以後」の熊野大学2009年9月8日 作家中上健次が始めた熊野大学が和歌山県新宮市で先月開かれた。没後17年。参加者の多くは中上死後、作品に接した世代だ。講師陣でも中上を直接知るのは最年長の島田雅彦氏、長女の中上紀氏だけ。中村文則氏、円城塔氏、東浩紀氏、前田塁氏ら講師側も「中上以後」世代による「第3期」熊野大学のスタートである。 過去のシンポジウムでは、中上作品を日本の「近代文学」の問題に重ねて討議、論じられるのは小説の中身だった。世界がフラットになり、実存の陰影を失うとき、小説、特に純文学に書くことはあるのか――今回のテーマ「21世紀の日本で小説は本当に可能か」も、小説の中身への問題意識かと思ったら、全然そうならないところが面白かった。 話を引っ張ったのは東氏。村上春樹氏の新作『1Q84』だけが驚異的に売れている事態に、「あらゆる業界で売れる売れないが二極
明治大学は、漫画やアニメ、ゲームなどサブカルチャー関連資料を集めた「東京国際マンガ図書館」(仮称)を2014年度までに設立する。漫画の単行本や雑誌、個人出版による同人誌などに加え、アーケードゲーム基板やフィギュアなどを広く収集・保管し、展示・閲覧できるようにするほか、同人誌即売会などを開けるイベントホールも併設。開館時の収集点数は200万点と、関連施設としては世界最大規模になる見込みという。 きっかけとなったのは、明大が10月31日にオープンする「米沢嘉博記念図書館」。明大出身の漫画評論家でコミックマーケット代表の故米沢嘉博さんの遺族から蔵書の提供を受け、同図書館を設立。さらに同図書館を含む形で、サブカルチャー全般をカバーする複合的アーカイブの構想が具体化した。 計画では、東京都千代田区のJR御茶ノ水駅周辺に施設が点在する同大駿河台キャンパスのうち、米沢図書館のある「猿楽町地区」と呼ぶ一帯
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く