新型コロナウイルスの感染拡大によるバス会社の経営悪化で、長野―飯田間、長野―松本間といった県内高速バス路線の運行が苦境に陥っている。これまで県内と首都圏などを結ぶ高速バスの収益で県内路線の赤字をカバーしてきたが、その「稼ぎ頭」の収益が激減。南北に広い県内の移動を支えてきた交通機関の維持に向け、アルピコ交通(松本市)は26日、公設民営化による支援を県に求めると明らかにした。 同社は県内で、長野市と飯田市を結ぶ「みすずハイウェイバス」(信南交通、伊那バスと共同運行)と、長野市と松本市を結ぶ「長野―松本線」を運行。通勤通学の利用が多いものの、以前から年間を通じて赤字が続いている。県内と首都圏や関西圏を結ぶ高速バスの収益で、県内の高速バスや路線バスの赤字を埋め合わせる収益構造だった。 しかし、同社によると、県内路線と県内外の路線を合わせた高速バス事業の本年度の売上高は、前年度の11%にとどまる見通