噴火から一夜が明け、御嶽山では自衛隊や警察、消防による負傷者らの救助活動が本格化した。ただ、登山者の安否をめぐる情報は錯綜(さくそう)した。登山者の安否確認が難しいのは、「登山届」を提出していない登山者が多く、警察などが登山者の正確な人数や個人名を把握するのが難しいためだ。また、御嶽山が長野、岐阜県境にあり、自治体が複数にまたがり情報の集約をしにくかったことも影響したとみられる。 長野県木曽広域消防本部は27日午後10時ごろ、御嶽山の噴火で「女性1人が死亡」と報道関係者に説明した。しかし、その後「根拠がない情報だった」として取り消した。負傷者の数をめぐっても、県や消防などで情報が食い違う場面もみられた。 「不特定多数が訪れる登山では、登山者の安否確認を百パーセント実行するのは残念ながら不可能だ」。長野県王滝村の担当者は、こう指摘する。 事故などの場合に登山者の捜索の重要な手がかりとなるのが