担当編集Y(以下、編集Y):「いきなりXと言われても」と思う読者の方もいると思いますので、池田さん、ここでちょっとXの説明をしてください。 池田:いやYさん、ここでなぜ廣瀬さんに聞かないの(笑)。SKYACTIV-Xというのは、これまでのガソリンエンジンとは、もう燃焼の理論から全く別物の新発明エンジンですね。HCCI(予混合圧縮着火)という方式で、理論としては世界中のメーカーが注目していました。あらかじめ燃料と空気を混ぜた「混合気」を、圧縮して温度上昇させることで着火させるんです。 写真はMAZDA3に搭載されているSKYACTIV-Xエンジン。燃焼室の中で気化した燃料に対し、点火プラグから火が燃え広がるのではなく、「全部が一気に燃える」というのが特徴。混合気が一気に燃えるので、徐々に燃えるプラグ点火より圧力が上がって熱効率が向上する。また、薄い混合気でも燃やせるので、低負荷域での燃費が大