10日の人事院勧告では、出席コースから外れた“窓際キャリア官僚”のために新設する「専門スタッフ職」の年収額設定が見送られた。政府は今回の勧告を経て対象官僚を年収1千100万円超で厚遇するつもりだったが、人事院は「政府から高額年収を求められても同一価値労働=同一賃金にそぐわない勧告はできない」(幹部)と判断した。各省庁は秋の追加勧告を目指し、人事院に対して攻勢をかける構えだが、人事院の「壁」は予想以上に高かったようだ。 政府は6月、新たな「専門スタッフ職」設置を盛り込んだ「退職管理基本方針」を閣議決定した。同職は民主党政権の天下り斡旋(あっせん)禁止方針を受け、出世競争に敗れ行き場を失った各府省の局長や審議官級の幹部官僚が少しでも厚遇を維持しようとひねり出した制度。基本方針では「専門スタッフ職」の職務を「部局横断的な重要政策の企画立案サポート」した。 だが、人事院は「今のところ具体的な仕事内