・単なる数字の遣り取りに過ぎない行いをそうではないと誤認させる、自分が今まさに相対している娯楽が高尚なものに違いないと感覚させる、そういった詐術こそがゲームをゲームたらしめる。ゲームにおいて何よりも大切なのはその詐術である。認識の操作の手管こそが論じるに値する。 ・遊んだ人間がどう感じるかを捨象して語れば、ゲームは無味乾燥の抜け殻をそこに露呈しかねない。しかし、その事実はゲームの価値をいささかも損なうものではない。そういう立場に、僕は強く与する。 ・本題。 ・パチンコやソーシャルゲーム(のうち、特にランダム性の強く、ソーシャルなトレーディング要素以外の部分に魅力をあまり担保しないもの)の対極として「善いゲーム」を想像することは、往々にして望ましくない錯誤を招く。 ・押したらランダムに報酬の齎されるボタンを設置し、確率を適切に操作することで猿に死ぬまでボタンを押させることが可能である―――と