ネットバブル期に一度流行したものの失速したASP。それが欠点を克服して再登場したものがSaaSである。ブロードバンド回線の普及とともに伸びていくSaaSは、初期費用をかけずにシステムを導入したい企業に歓迎されている。 SaaSとASPの違い ネットバブルの終焉とともに姿を消したかに見えたASPは、アメリカで「SaaS」という新しい名称を看板にして、2005年くらいから再び台頭してきた。 「SaaSについて語るには、セールスフォース・ドットコムを抜きにするわけにはいかないでしょう。同社は1999年の創業ですが、ネットバブルの崩壊を生き残りました。その理由は、同社が最初からマルチテナントのアーキテクチャーを持っていたからです」 マルチテナントというのは、サーバーとデータベースを複数の顧客で共有する方法。前述のシングルテナントに対して、ベンダー側の効率が飛躍的に向上する。スケールメリットが享受で