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ブックマーク / daen.hatenablog.jp (3)

  • 戦争は変わった――P・W・シンガー「ロボット兵士の戦争」 - 誰が得するんだよこの書評

    戦争は、人びとがほかの人びとを殺すときに始まるのではない。報復として自分が殺されるリスクを冒す時点で始まるのだ」 *1 では、ラスベガス近郊にいながら遠隔操作でアフガン上空を小型飛行機で索敵する兵士は、はたして戦争に参加しているのだろうか? ロボットが人間の兵士の役割を代替することで、今、戦場は劇的に変わろうとしている。そして戦争の変容は、社会の変容をもたらす。書は、他にはないスリリングな切り口で戦争を論じた、最高に面白い一冊だ。 たとえば、カントは民主制は戦争を抑制すると論じたが、その根拠は「ふつうの市民なら自分が死ぬのが怖くて戦場になんか行きたくない」というものだった。しかし、朝に子どもを保育園に送り、昼は軍の施設で遠い戦場のロボットを遠隔操縦し、夜はまた家に帰ってきてアメフトの試合を家族と観る、そんな兵士が多くなってきている。兵士が死ぬリスクが減っていけば、たとえ民主制といえでも

    戦争は変わった――P・W・シンガー「ロボット兵士の戦争」 - 誰が得するんだよこの書評
    a246ra
    a246ra 2012/03/15
     「本書は、他にはないスリリングな切り口で戦争を論じた、最高に面白い一冊だ」
  • 誰が得するんだよこの本ランキング・2010 - 誰が得するんだよこの書評

    今年もやってまいりました、年間ベストを選出する企画「誰が得するんだよこのランキング」です。気持ちとしては「誰が損するんだよこのランキング」にしたいところですが、ブログ名との兼ね合いでこのタイトルになっています。実用書と小説それぞれベスト10を発表するので計20作です。 去年のランキングはこちら。 誰が得するんだよこのランキング・2009 実用書 第10位 佐藤優「国家の罠」 鈴木宗男と共に国策捜査で起訴された外務官僚の暴露。なぜ起訴されたのか、検察官との尋問でどのように議論したのか、そもそもこの捜査は国益にかなうものだったのか、など興味深いトピックが目白押しです。検察による役人の不当な起訴がなされ、検察の暴走だとか言われている今こそ読むべき一冊でしょう。また、ノンフィクションとしてすさまじい面白さがあり、文才を感じさせます。 実用書 第9位 リチャード・セイラー, キャス・サンステ

    誰が得するんだよこの本ランキング・2010 - 誰が得するんだよこの書評
    a246ra
    a246ra 2010/12/27
     2010年ですが、第5位にランクイン。7位には『父として考える』
  • 安全保障の民営化がもたらす外交の変容―――P・W・シンガー「戦争請負会社」 - 誰が得するんだよこの書評

    1996年、A国中央政府は絶望的な状況にあった。太平洋に浮かぶ群島国家であったA国は、その経済を鉱山資源の輸出に依存しきっていた。その鉱山が反政府武力組織に占領されたのだ。しかし、国防軍にその奪回のための軍事力はなかった。旧宗主国からの援助も断られたA国は、それまで同盟関係になかったBに軍事援助を依頼した。Bは360万ドル(A国国防軍の年間予算の150%に相当する)の対価として最新鋭の攻撃部隊による反撃を約束した。この契約金の出所は未公認の予算削減と占拠された鉱山の国有化と売却である。 この取引は国民的な議論も議会への通知もなく行われた。この取引の過程で元国防大臣が50万ドルの賄賂を受け取り、行政府内の権力者に根回しをしていたことが後に発覚した。その後、軍の指導者がこのスキャンダルをもとに首相を批難する。取引の詳細が民衆に知らされると、軍を支持するデモがはじまり、文民政府は最終的に非を認め

    安全保障の民営化がもたらす外交の変容―――P・W・シンガー「戦争請負会社」 - 誰が得するんだよこの書評
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