出版関係者によると、このところ一気に店頭に並んだ原子力発電所や核・放射能に関わる書籍の売り上げも止まりつつあるという。 しかし、被災地ではもちろんまだまだ厳しい現実に変わりなく、原発・エネルギーをこれからどうする、といった課題は粘り強く議論していく必要がある。 この日、福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一(58)さんと久しぶりに電話で話をした。震災後2カ月して長谷川さん宅を訪れて以来、話をするのは3回目だった。長谷川さんはこの村で長年酪農を営んできた。 しかし、原発事故による放射線の危険から飯舘村が計画的避難区域に指定されたことなどでやむなく廃業を決意した。 いまはまだ、長谷川さんは村内の自宅にとどまっている。「牛はすべて片づきました」と言った彼は、酪農という自分の仕事には終止符を打った。 すべての牛の処分を終えて・・・ 事故後村外に預けた育成牛や妊娠牛も前月いっぱいで競りにかけるなどして処分