国鉄が分割民営化し、JR7社が発足して昨年で30年。各社が頭を痛めるのが地方の赤字路線の存在だ。100円の利益をあげるのに1000円を超える費用がかかる"超赤字路線"も少なくないという。 地域の"足"を何とか守ろうと運行を続けてきたJR各社だが、「廃線」という苦渋の決断を下すケースも増えている。JR西日本では、広島と島根を結ぶ「三江線(さんこうせん)」が、今年3月31日、88年の歴史に幕を閉じた。100キロを超す長距離線区の廃止は本州では初めてのこと。果たして、廃線後の地域交通はどうなるのか? 一方、資金力のない民間や第三セクターの鉄道会社はさらに深刻だ。利用者の減少で収益が減り続ける中、経営改善の方策を見出せないままでいる。 そんな中、昨年秋、福岡の三セク鉄道「平成筑豊鉄道」が起死回生の一手に出た。社長を公募し、民間から起用しようというのだ。選ばれたのは、大分県庁出身で九州のバス会社の経