魔法を召し上がれ 作者: 瀬名秀明出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/05/16メディア: 単行本この商品を含むブログを見る瀬名秀明さんによるマジック&ロボットな近未来SF小説である。僕は装丁が気に入ったのとけっこうなボリュームがあったのでそのへんの期待感から手にとったのだけれども、たいへんに素晴らしい傑作。冒頭、レストラン《ハーパーズ》で料理が出る前のお客にマジックを披露しているマジシャンの青年ヒカルが、最初の大失態をしでかすまでのシークエンスは特に素晴らしく、この世界に集中力を根こそぎ持っていかれてしまい、降りるはずだった駅を過ぎてしまったぐらいだ。 優れたマジシャンは観客の注意を引きつけ、自在にコントロールすることで驚きを演出するが、本書を読んでいる時の感覚はまさにそれである。小説を読んでいて降りる駅で降りられない経験なんて僕はほとんどしたことがない(2,3回ぐらいだと思う
![読者に見事な魔法をかけてくれる、マジック&ロボットSF──『魔法を召し上がれ』 - 基本読書](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0c4ec19a84fe2cbfd451b3e9663e3a5142d01c8e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F5197dgFcxHL.jpg)