1980年代~1990年代のUNIXはOSとしての性能に問題が多かった。特にハードウエアの進歩に比べてOSの性能が追随せず,アドレス空間の貧弱さやソフトウエア的なバッファ不足によってアプリケーションの性能が上がらないという問題があった。システム・エンジニアはnbufサイズやプロセステーブル・サイズなど,カーネル内のパラメータを変更し,チューンアップすることによってアプリケーションの性能を上げようと努力していた。 CやC++といったコンパイル言語を駆使するプログラマは,UNIXの知識と経験が豊富である。OSの記述言語と同じ言語でアプリケーションをプログラミングしているわけだから,アプリケーションのパフォーマンスや信頼性を上げるために,OSのカーネル・パラメータを操作するのはいとも簡単なことだったのである。 一つのアプリケーションが持つことのできるファイル・ディスクリプタ数の上限,メモリー・ア