東京電力福島第1原発事故の収束作業にあたった長崎県の男性(45)が、労働者派遣法などに違反する多重派遣や偽装請負の状態で働かされたとして、下請け上位の「日栄動力工業」(東京都港区)に是正を指導するよう東京労働局に申告した。男性は約束通りの賃金を支払われておらず、長崎県内の下位4社についても長崎労働局などに申告した。 男性を支援する日本労働弁護団は27日記者会見し、「原発労働の下請けの多重構造とピンハネは常態化しており、氷山の一角。東電が下請け会社の雇用や安全管理にも責任を負わなければ改善しない」と指摘した。 弁護団によると、男性は昨年6月、長崎県内のA社から「原発30キロ圏内のがれき撤去で日当1万1000円」と仕事の紹介を受け、詳細はB社に聞くよう指示された。B社は「原子炉建屋内ではないが原発敷地内の仕事」とし、日当を1万4000円にすると口頭で約束。男性が契約書を交わしたのはさらにそ