恐らく今、日本で最も多忙な映画監督なのではあるまいか。とにかくあきれるくらい次から次へと新作が封切られる。劇場公開作品は20年で60本ほどですか、と尋ねたら、「もうちょっとあるかな。だって曖昧ですからね。オリジナルビデオのころ、プロモーションのために単館でかけて、パッケージに劇場公開作品とうたわせる、というのも多かったですし。ただ自分にとっては映画もオリジナルビデオもテレビドラマも舞台も関係ないんですよね。1つの作品ですから」と、三池崇史監督(54)は笑みを浮かべる。 その最新作が、6月20日全国公開の「極道大戦争」だ。いわゆるやくざ映画をイメージしたらとんでもない。冒頭、「男といえばやくざ」というナレーションで、何となく胸騒ぎはしていたが、想像を絶する展開が待っていた。 市原隼人演じる影山は、リリー・フランキーの組長に憧れてやくざになる…。とストーリー紹介はここまでにしておくのが、この映