イスラム教最大の行事と言われているのが、年に1度行われるメッカ(マッカ)への大巡礼「ハッジ」だ。毎年、ヒジュラ暦の8日から12日にかけて(今年は7月28日から8月2日)、世界中から300万人以上の教徒たちが、サウジアラビアにある聖地メッカに集い巡礼を行う。 大勢のイスラム教徒らが一堂に会するハッジの光景は圧巻なのだが、今年は例年とまったく違っていた。 新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、サウジアラビア国内の教徒限定となり、厳格な審査の上、巡礼者数を最小限に抑え、ソーシャルディスタンスを保ちながら、わずか1000人ほどが参列する異例の事態となったのだ。 イスラム教最大のイベント、聖地メッカへの大巡礼「ハッジ」 世界中には、およそ18億人のイスラム教徒が存在すると言われている。イスラム教徒の成人は、経済的・身体的に可能であれば、一生に一度は「ハッジ」と呼ばれる聖地メッカへの巡礼の旅に