タイル張りの洋風建築に、名古屋城の天守閣を思わせる銅板屋根が特徴の愛知県庁。老朽化が進む本庁舎を長く維持できるよう、屋根のふき替え工事も行う予定だ=名古屋市中区で2014年10月11日、木葉健二撮影 その建物は国の重要文化財に指定されている。だが働く職員には切実な悩みがあった。名古屋城の近くにある愛知県庁本庁舎(1938年完成)。実は建物だけでなくトイレも古く、過半数が和式だった。このほど約20年ぶりとなる大改修が決まり、喜びや安堵(あんど)の声があがっている。 「女性トイレは午後0時半過ぎから特に混雑します。洋式トイレに並んだり、歯磨きする人と洗面台を譲り合ったり……」。こう話すのは本庁舎で勤務して4年目になる女性職員(27)。 混み合う昼休みは数少ない洋式を巡って順番待ちの列ができる。手洗い場も狭く、トイレ前の廊下で歯を磨く職員もいる。県政の取材を担当している記者にとって見慣れた光景だ