2010年代以降のジブリアニメとの関係 スタジオジブリの宮﨑駿監督の10年ぶりとなる新作長編『君たちはどう生きるか』が、7月14日に劇場公開された。ちなみに、公開日当日のレイトショーで映画を観て、すぐにこの原稿を書いている。周知のように、本作は現時点で公式サイトも劇場パンフレットもなく、作品情報がきわめて乏しい。物語のディテールや登場キャラクターの名前など、少なからず誤記があるかもしれないが、ご容赦いただきたい。 一見しても多くの論点が見つかる本作だが、この原稿ではさしあたり、10年ぶりの新作ということもあり、ここ最近、具体的には宮﨑の前作『風立ちぬ』(2013年)や、2010年代以降のジブリ作品を手広く俯瞰しながら、本作のモチーフやテーマをその中に位置づけてみたい。10年ぶりの宮﨑作品に限らず、ここ10年ほどのジブリの劇場用長編といえば、実質、ジブリ作品とは言い難い『レッドタートル ある
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