ラッパーにしてラジオDJ、そして映画評論もするライムスター宇多丸が、ランダムに最新映画を自腹で鑑賞し、生放送で評論する、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」の人気コーナー「週刊映画時評ムービーウォッチメン」(毎週木曜22時20分頃から放送)。 12月28日の放送は、2023
「ゾンビもののよさ」のひとつは、愛する人が感染者になってしまうという恐怖にある。ゾンビになってしまえば元には戻らないどころか、人間を襲う恐ろしい生き物になってしまうのだ。自らの手を汚して愛する彼や彼女がゾンビになるのを防ぐか、愛する人の手によって殺されるのか、あるいは何もしてやれないのか。その選択だけでひとつのドラマになる。 一方、まったく違うよさもある。「人間なんてクソ喰らえ」と世界を呪っている人にとってはゾンビの来襲はある意味で福音であり、ムカつくあいつも見知らぬあいつも殺していいのである。そう、心地よく殺して許される存在もまたゾンビなのだ。 このようにゾンビの魅力にはまったく正反対の方向性があるのだが、そのふたつを両取りしようとしたゲームもある(意図してなのかは知らないが)。それがいまから語る『アンダイイング(Undying )』だ。 「ゾンビになりかけている母、残される子供」という
【スペック】 身長180cm 体重88kg 【所有資格】 ・極真空手(極真会館)2段 ・ボクサーライセンスB級(あと3年で失効) ・ブラジリアン柔術茶帯(黒帯目指して日々勉強中です!) 得意分野は徒手格闘ですが、パワハラモラハラを威圧だけで圧殺することも得意です!現場であったら仲良くしてください!よろしくお願いします!
2023.12.30 18:00 「ガウェインの結婚」を歴史の授業で使わないで!~中世の英文学と女性がもっとも望むこと 2年ほど前に「世界史講義録」というウェブサイトの「最初の授業」という記事がバズったことがありました。これは高校世界史の授業初回で、アーサー王伝説の「ガウェインの結婚」をとりあげ、歴史は面白い……というような話の枕にするというものです。 詳しくはリンク先の元記事を読んでいただきたいのですが、非常にざっくり説明すると、アーサー王が敵の騎士から「すべての女性がもっとも望むことは何か」という問いを出され、それの答えが「自分の意志を持つこと」だったという話をネタに、「700年から500年くらい前の時代につくられた物語」なのに既に女性の人権に関係するようなトピックを取り扱っていて現代的だ……という内容です。 このウェブサイトの講義は、2009年発行の竹田青嗣『中学生からの哲学「超」入
本田雄が語る『君たちはどう生きるか』- ロングインタビュー by Matteo Watzky | Dec 29, 2023 | インタビュー | 0 comments キャリアの初期から「師匠」の異名を持つ本田雄は、アニメ界で最も優秀なアニメーターの一人である。アトリエ戯雅にデビューした後、1980年代と1990年代の大半をスタジオガイナックスで過ごし、『 トップをねらえ!』、『ふしぎの海のナディア』、『新世紀エヴァンゲリオン』などでガイナックスを代表する作品に携わった。退社後は、今 敏や押井守といった業界屈指の名匠たちの作品に手を掛けた。 宮崎駿監督の最新長編『君たちはどう生きるか』の作画監督を務めることが発表されて、本田氏の評判はさらに高まった。 本田氏のタッチは映画で強く感じられ、アニメーターの井上俊之氏と山下明彦氏とその制作について話し合ったとき、私たちはこのことについてもっと知り
まもなく終わりを迎える2023年。新年の到来を目前に控え、各所では1年の振り返りが盛んに行われている。 2023年はゲームカルチャーにとってどのような1年だったのか。その質問に対し、私がアンサーを返すのならば「ADV/ノベルの躍進が目立った1年」とするだろう。 本稿では、ADV/ノベルのジャンルから2023年を代表する2作品を紹介したうえで、2024年以降の同分野の動向を考えていく。 小規模制作ながら「日本ゲーム大賞」優秀賞を獲得した『パラノマサイト』 ADV/ノベルのジャンルから2023年のゲームカルチャーを振り返るとき、絶対に外せないタイトルの名がある。『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』(以下、『パラノマサイト』)だ。昭和後期の東京都・墨田区を舞台にしたホラーADVである同作は、2023年3月9日に発売されると、手に取ったプレイヤーから相次いで高評価を獲得。口コミでその評判
米批評サイト「ロッテントマト」のジブリ映画ランキング 3作品が同率1位に! 2023年12月29日 20:00 「君たちはどう生きるか」(C)2023 Studio Ghibli 宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」がアメリカで好評を博している。 米批評サイト「ロッテントマト」(RottenTomatoes)は批評家たちの評価をもとに、トマトメーターという独自のスコアを付けていることで知られているが、「君たちはどう生きるか」は97%という高スコアを獲得。「美しいアニメーションのレンズを通じて、示唆に富むテーマの魂の探求を描く『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿のまたひとつの傑作である」という総評となっている。 本作をきっかけにロッテントマトは、トマトメーターをもとにしたジブリ作品のランキングを発表。同率1位に輝いたのはなんと「かぐや姫の物語」「おもひでぽろぽろ」「火垂るの墓」の3作品で
映画TOP 映画ニュース・読みもの 枯れ葉 名匠への敬意、ウクライナ紛争、母国フィンランド…引退を撤回したアキ・カウリスマキが復帰作『枯れ葉』に込めた思いを探る コラム 2023/12/29 15:00 名匠への敬意、ウクライナ紛争、母国フィンランド…引退を撤回したアキ・カウリスマキが復帰作『枯れ葉』に込めた思いを探る 2017年、『希望のかなた』のプロモーション中に映画監督引退を宣言してから6年、アキ・カウリスマキは『枯れ葉』(公開中)で観客のもとへと帰ってきた。第76回カンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた『枯れ葉』は、労働者3部作『パラダイスの夕暮れ』(86)、『真夜中の虹』(88)、『マッチ工場の少女』(90)に連なる一作。これまで厳しくも優しいタッチで貧しい市民の悲喜劇を作り続けてきた彼が本作で描いたものとは。映画評論家の遠山純生氏に、『枯れ葉』におけるカウリスマキの映画術や心情を考察
2022年2月2日に、イタリア映画のスター女優であったモニカ・ヴィッティが亡くなりました。享年90歳でした。ヴィッティといえば60年代に出演したミケランジェロ・アントニオーニ監督の前衛的な映画が有名で、アントニオーニとは私生活でもパートナーでした。 今回の追悼記事でお話するのはアントニオーニやルイス・ブニュエルなどのいかにもヴィッティの「代表作」らしい作品ではなく、ジョゼフ・ロージー監督によるスパイコメディ『唇からナイフ』(1966)です。この映画はヴィッティの他にテレンス・スタンプやダーク・ボガードなど、ふだんはヨーロッパのアート映画で見かけるスターが大挙出演しておバカの限りを尽くす作品で、いわゆる「キャンプ・クラシック」と呼ばれる作品です(「キャンプ」については本連載のバズ・ラーマンの記事も見てください)。 アントニオーニについては他でいくらでも語られるでしょうから、この記事ではアート
『ワイルド・スピード ファイヤーブースト』を見てきた。ワイルド・スピード10作目で、一応11作目と前編・後編みたいな位置づけになっている(このため完全に話の途中で終わる)。 www.youtube.com 10年前にドム(ヴィン・ディーゼル)が打ち負かしたブラジルの麻薬王レイエスの息子ダンテ(ジェイソン・モモア)はしつこくドムのファミリーを狙っており、ローマでファミリーを罠にかける。レティ(ミシェル・ロドリゲス)は逮捕され、他のメンバーも逃亡の身となる。ダンテはドムを単に殺すのではなく、ファミリーの面々を苦しめたり殺したりすることでドムを生き地獄に味あわせる計画だったが… とにかくワイスピなので話がめちゃくちゃなのはいつも通りなのだが、今回は制作が混乱した上、シリーズが長くなるにつれてドムがやたらにいろんな人をファミリーに引き入れて登場人物が多くなっているため、話が広がりまくっていつもに輪
昨日のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』ポッドキャスト版で放送した、今年の映画ベスト10です。本年は205本の映画を見ました。 『ベネデッタ』 『ロスト・キング 500年越しの運命』(パンフレットにレビューを掲載したのでブログにレビューなし) 『ゼイ・クローン・タイローン/俺たちクローン』 『ボーンズ アンド オール』 『ニモーナ』 『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』 『オマージュ』 『バーナデット ママは行方不明』 『フローラとマックス』 『ブラックベリー』 今年は映画視聴状況が劇的に変わりまして、4月から『芸術新潮』の映画評連載を始めたところ、とんでもない数の試写状が来るようになり、来る試写は基本的に全て見るようにしたので(見なかったのは3本程度のはず)、鑑賞するだけでものすごく多忙になりました。205本中、試写で見たのが78本(8割くらいはオンライン試写)、配信が37本でし
突然ですが! これから「江戸時代までの日本は『性におおらかな社会』だったが、西洋的/キリスト教的価値観の輸入がそれを潰した」とかいうなぜか世間にはびこる謎幻想、およびその手の害毒史観のもとで作られた『春画先生』という映画の問題点についてキッチリ語らせていただきます。 ……つーかとっくに上映終了している映画について今さらウダウダ指摘するのもなんだと思ったけど、やっぱ今年のムカつきは今年のうちに全部吐き出しておかねば気が済まぬ。 かなり長くなるだろうけど、しばしお付き合いいただければ幸い。 そもそも。 「おおらか論」に与する人たちってのは、当時に春画・春本の類が何の制約もなく出版され、大衆がそれを白昼堂々と買うことができたと思ってるんだろうか? 例えば明和年間に京都の書店組合が発行した『禁書目録』には好色本が多く掲載されているし、為永春水ほどの才気ある戯作者も、たかが『春色梅児誉美』程度のハー
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く