アインシュタインは、量子力学をこの世界のもっとも基本的な理論の1つとは見なしていませんでした。その理由の1つとして、日常的なモノの実在性とその決定論的な運動を量子力学は許していないという点を挙げています。量子力学ではない、決定論的な実在の物理法則が他にあると信じていたのです。 『君は,君が見上げているときだけ月が存在していると本当に信じるのか?』 これはアインシュタインが親しい物理学者に向けて言ったとされる言葉です。量子力学はその月の実在性も否定する理論だったので、彼は死ぬまで不審に思い続けていたのでした。しかしアインシュタインが期待したような路線で成功をした理論は現れませんでした。一方で量子力学は、もの凄い精度でその正しさが実験的に確認をされている基礎理論として、広く認められるようになりました。 見えていた月が次の瞬間に振り返ってもまだ実在し続けることは、例えば人工衛星やロケットなどへの
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