※ この記事は英誌「エコノミスト」で2022年2月9日に掲載されたものです。 歴史は永遠に繰り返されるのか ウクライナ危機の核心にあるのは、歴史と人類の本質に関する、「変化は可能か」という根本的な疑問だ。人間は自らの行動を変えられるのか、それとも歴史は永遠に繰り返され、過去の悲劇は再現されるのか。 ある学派は、「変化」の可能性をきっぱりと否定する。世界はジャングルのようであり、強者は弱者を餌食にする。彼らの主張は、ある国が別の国を食い物にするのを防ぐには軍事力しか手段がないということだ。これまでもそうであったし、これからもそうであろう。弱肉強食の法則を信じない者は自らを欺き、自分の存在自体を危険にさらしていることから、長くは生き残れないという。
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