2023年、史上最多のグラミー賞受賞者となったビヨンセは、2018年にJAY-ZとのThe Carters名義で「APESHIT」のMVをルーヴル美術館を舞台に制作している。この彫刻はどういう歴史的経緯でここにあるのか、この絵画の登場人物や配置の背景には人権侵害の構造があるのではないか、これらはいまどのような文脈で展示されているのか、鑑賞する側には無意識の差別や偏見はないか。映像は西洋美術史や美術館の根底にある植民地主義を告発する。5年後の現在、この問題はますます多様に多くの場所で議論されていると言えるだろう。本稿では、おもに欧州のミュージアムが抱える脱植民地主義の課題について、東京都現代美術館の学芸員、八巻香澄氏にご寄稿いただいた。同様の問題は日本にもある。(artscape編集部) ドクメンタ15 展示会場のひとつフリデリチアヌム美術館のファサード、2022年[筆者撮影] 脱植民地主義
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