国鉄分割・民営化の当時を語るJR九州初代社長の石井幸孝氏=福岡市で2019年12月2日午後3時41分、浅川大樹撮影 JR九州初代社長の石井幸孝(よしたか)氏(87)は、毎日新聞の単独インタビューに応じ、11月29日に死去した中曽根康弘元首相が断行した1987年の国鉄分割・民営化について語った。当時、石井氏は国鉄常務理事として改革を間近で見てきた一人。国鉄内で賛否が対立する中、役員全員に辞表届を出させ、反対した者は一斉に排除するなど「問答無用」で大なたを振るった中曽根流を振り返り、JR九州の原点を披露した。 石井氏は55年に国鉄に入り、車両部門の機械系技術職を中心に歩んだ。入社当時、鉄道は高度経済成長の波に乗って発展し、国鉄は「公務員並みの給料が保証され、決して潰れない公社」として人気の就職先だった。