カタナテンセの「健康全書」(14世紀)にみるチーズづくり チーズは古くからある食べ物であり、加工食品としては最古の歴史を持ち[1]、その起源は先史時代まで遡る。自然にレンネットの恩恵に与ることのできる、反芻動物の胃でつくった嚢にいれて乳を運搬する習慣があるところには必ずついてまわるといってよい。チーズづくりの発祥の地がどこであるかを示す決定的な証拠はなく、ヨーロッパや中央アジアあるいは中東かは定まっていない。中欧のポーランドでは紀元前5500年ごろのスウィデリアン文化時代(英語版)におけるチーズづくりの道具が発見されており、これが現在のところ最も古いチーズ製造の証拠である。そこから下って紀元前3100年ごろになるとサハラやメソポタミアの牧草地帯でエジプト人とシュメール人によって酪農が営まれていたという有力な証拠が存在する。またチーズづくりがヨーロッパで古くから定着していたことはヘレニズム初