家を新築する際、表札をどのようなデザインにするか迷う方も多いのではないだろうか。お客様が最初に目にする"家の顔"ともなる表札は、その家に住む人の個性を端的に表すものと言えるだろう。 では、家の前に表札を掲げる歴史はいつごろ始まったのだろうか。 実は、一般家庭に表札が導入されたのはそう古い時代ではない。江戸時代の庶民は公的に苗字を持っていなかったし、遠くの町に転居することは滅多になかったため、近所はほとんど顔見知り。わざわざ表札を掲げなくても、町を訪れた人が「甚兵衛さんの家はどこでしょうか」と尋ねれば、すぐに教えてもらえたのだ。特に長屋では、入口に住人の一覧が掲げられていたし、大家と店子は家族のような付き合いがあったため、表札などがなくても大家さんを窓口にして十分に交流ができた。江戸時代の町では、武家屋敷に見かけるぐらいで、表札は決して一般的なものではなかったのだ。 表札が普及しはじめたのは
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