大きな箱の中に小さな箱が、そして小さな箱にはさらに小さな箱が入る構造を「入れ子」と呼んでいます。大きな箱の中には小さな箱がたくさん入ります。 箱を生物種からなる群集と考え、群集の部分集合が集まり大きな群集集合を形成していると捉えると、野外の生物群集も入れ子になった構造を持っているかもしれません。 入れ子になった箱(画像元) 群集の「入れ子構造(Nested structure)」という考え方は、島や森林での生物群集の保全、そして基礎的な意味での生物群集の構造の解明、この両方にとって最近ちょっと注目されています。 ある区域や島での生物群集を保全するときに最も優先すべき事項は何か。「大きな単一の区域を保全すべきか、または複数の小区域を保全すべきか」といったSLOSS論争がありました。いずれにせよ、できるだけ多くの種が保全できるような方策をとるべきでしょう。このとき、種の分布パターンに「入れ子構