大津市南部のあちこちで、使われなくなった有線放送の電柱が放置されている。老朽化で傾いたり、通行の妨げになったりと住民生活にも影響が及んでいる。住民側は撤去を要望しているが、インフラの「負の遺産」の後始末は思うように進んでいない。 瀬田川の東側、新旧の住宅やマンションが立ち並ぶ大津市の大江地区。狭い市道脇に老朽化した木柱はあった。高さ5メートルほど。NTTの電柱と並んでいるが、道路側に大きく曲がっていた。 今は使われていない「湖南有線放送」の木柱だ。1973年に放送が始まり、電話や地域情報の伝達手段を担ってきた。「湖南有線放送農業協同組合」が運営し、放送エリアは瀬田や田上など市南部の7学区。電線の全長は計97キロ。2001年に放送は休止したが、木柱やコンクリート柱などは処分されず、あちこちに放置されたままだ。 「木柱は根腐れはしていないが、もう10年はもたない」。大江地区を含む瀬田学区の内田
