【ベルリン=松井健】息子が起こした銃乱射事件の責任をどこまで父親に問うことができるのか――。ドイツで17歳の少年が15人を殺害して自殺した事件で、犯行に使われた銃の管理の過失を問われた父親(51)の裁判が議論を呼んでいる。 ドイツ南部シュツットガルト近郊のビネンデンで昨年3月11日、ティムという名の少年が自分が卒業した学校や逃走先で銃を乱射し、生徒や教師ら15人を殺害した後、自殺した。少年は父親が寝室の洋服ダンス内にカギを掛けずに保管していたピストルを持ち出していた。事件はドイツ社会に深刻な衝撃を与え、銃規制が強化された。 検察は、武器の所有者は扱う資格のない人間の手に武器が渡らないようにしなければならないとする武器法違反に加え、過失致死傷罪でも父親を起訴した。独メディアによると、通常は略式命令で済ますケースだが、なぜ少年がこんな事件を起こしたのか、理由を求めるやり場のない気持ちを抱え