生活への不安はどうなったのか。猪瀬都知事が9日、都議会の総務委員会で、「1年間知事の給料を全額返上したい」と唐突に表明した。 資料を持つ手は震え、頭から噴き出した汗は耳たぶからスーツにドボドボと垂れる。「聞こえないよ」と傍聴席からヤジが飛ぶぐらいに声も小さい。そんな小心者にしては、思い切った提案である。 知事の給料は月額133万2900円。1年間で1599万4800円となる。ボーナスを入れたら2600万円近くだ。無利子、無担保、無期限、無保証の5000万円の半分とはいえ、かなりの大金。それを受け取らないというのだから立派だが、あれ? それでも暮らしていけるのだろうか。 猪瀬は、徳洲会サイドから5000万円を受け取ったことについて、生活への不安を理由にしていた。選挙で負ければ、副知事として得ていた給与も失う。それでは生活できないと説明した。 もしも知事の給与を受け取らなければ、落選し