今月指針が決まった外国人の農業労働を国家戦略特区で解禁する新制度に関し、活用を目指す自治体が全国で少なくとも十一地域に上ることが二十九日、本紙の調べで分かった。現行で外国人受け入れの窓口となる技能実習制度は国際協力を名目とするが、新制度は農家での労働力の確保を目的とする。人手不足対策として各地で期待が高まるが、技能実習生が失踪するケースが増加しているほか、新制度で派遣労働の形態を導入することについての懸念も専門家から出ている。(矢野修平、写真も) 政府は、特区の規制緩和項目に外国人の農業就労を追加し、今月十五日に実施の指針をまとめた。既に別の事業で特区指定を受ける愛知県と沖縄県は、来年中の利用を目指している。 これに加え、関東では茨城県、群馬県が農業での外国人活用を盛り込む特区提案を政府に提出した。ほかに長野県、鹿児島県など農業が盛んな県や、市町村でも秋田県大潟村や鳥取県境港市などが特区指