パンデミックなき未来へ 僕たちにできること 作者:ビル ゲイツ早川書房Amazonこの『パンデミックなき未来へ』は、ビル・ゲイツによる、気候変動をテーマに地球人類全体が何をして、どこに予算を集中させなければいけないのかを書いた『地球の未来のため僕が決断したこと』(2021)に続く、感染症についての一冊である。 テーマとして共通しているのは、気候変動とパンデミックはどちらも「対策しなければ、このあと確実に人類の存続を脅かす脅威」になるという点にある。ビル・ゲイツはもちろんマイクロソフトの共同創業者でパンデミックや気候変動の専門家ではないが、彼が2000年に夫婦で立ち上げた世界最大の慈善基金団体ビル&メリンダ・ゲイツ財団では豊富な資産を用いて世界から病気や貧困を減少させることを目的に、最先端のテクノロジーや、コミュニティへの支援を行ってきた。 つまりビル・ゲイツは一つの国家や組織にとらわれず、