米南部ケンタッキー州で11月8日、中間選挙にあわせて人工妊娠中絶の是非を問う住民投票が予定されている。連邦最高裁が6月に憲法判断を49年ぶりに覆して州による中絶禁止を容認し、同州でも「中絶禁止法」が発効。住民投票では「州憲法が中絶の権利を保障していると解釈してはならない」と明文化する州憲法改正案への賛否が問われる。胎児の生命を尊重する「プロライフ(生命を支持)」、女性が中絶を選ぶ権利を重視する「プロチョイス(選択を支持)」のそれぞれの立場で住民投票に向けた運動を率いる責任者に主張を聞いた。【ケンタッキー州ルイビルで秋山信一】 人命を奪うことは正当化できない ■アディア・ブクナーさん=中絶反対派の団体「イエス・フォー・ライフ」代表 「プロライフ」とは、受精した瞬間から人生の最期まで、命の価値を尊重する考え方だ。道徳的にも、法律的にも、人命を奪うことは正当化できない。中絶に関する議論で、私たち