ウクライナ国境にロシア軍が集結し緊張が高まっている状況について、ロシアと欧米諸国は13日に一連の協議を終えた。交渉決裂という最悪のシナリオは回避できたものの、明確な妥協は見いだせず、事態打開への道筋は見えない状況が続く。【前谷宏、鈴木一生(ワシントン)、岩佐淳士(ブリュッセル)】 「残念ながら我々の提案に対する適切な回答を聞くことはなかった」。13日の全欧安保協力機構(OSCE)の会合後、ロシアのルカシェビッチ駐OSCE大使は記者団に「失望」を表明した。米欧や旧ソ連諸国などで構成するOSCEの会合は、当事国であるウクライナも参加する場となったが、進展につながらなかった。 ロシアは10日に米国、12日に北大西洋条約機構(NATO)と対話を重ねた。NATOはウクライナを加盟させず、NATO部隊は東方拡大を始める前の配置まで撤退させるべきだ――。このようなロシアの要求を米欧は拒否した。これに対し