普天間基地移設問題に対する地元・沖縄県の民意や環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に反対する国会議員の意見など、日本政府や外務省とは異なる声を、アメリカの議会や政府関係者に直接伝えていくーー。 こうしたロビイング(政府の政策に影響を与えるための政策提言)で今、注目されているのが、2013年に設立された外交問題のシンクタンク「新外交イニシアティブ」(ND)の事務局長を務める猿田佐世(さるた・さよ)氏だ。 著書『新しい日米外交を切り拓く』(集英社クリエイティブ)では、日米外交がほんの「ひと握りの人たち」によって動かされている驚きの事実を明らかにし、日米外交のゆがみを鋭く指摘する。そして今、過激な言動で注目を集めるトランプ新大統領の誕生は、新たな日米関係を築くチャンスかもしれない。 ―アメリカの政府や議会に対するロビイング活動は、最初はひとりで始めたそうですね。 猿田 国際関係学を学ぶためアメ