東京・渋谷はビットバレーと呼ばれ、IT企業が集まる。その高層ビルのエレベーターに休日の朝、小学生が息せき切って飛び込んできた。向かうは学習塾ではなく、プログラミング教室。つめこみ教育に飽く親は我が子に未来のジョブズやゲイツを夢見ている。 東京を一望できる「渋谷マークシティ」高層階の会議室が教室だった。鈴木拓さん(24)が「開発タイム、スタート」と宣すると、キーボードを打つカタカタという音が一斉に響いた。 まだ英語を習っていないのに、アルファベットや記号を難なく打ち込んでいく。小6の武田夢音(ゆめね)君は小3から自宅のパソコンをいじり始めた。いまは「自分でゲームをつくりたい。大きくなったらゲームをつくる会社に入りたい」。母のWebデザイナー由美子さんは「ここまで本格的な教室はない。本人がプログラミングをやってみたいというので」と通わせることにした。