下川耿史氏の著書『エロティック日本史』が話題だ。セックスの視点で日本の歴史を見直すと、大らかにセックスを楽しんでいたご先祖様の姿が浮かんでくる。日本の「性史」を覗いてみよう。 アソコに菩薩さまが 不倫だゲスだと、近頃世間では、やたらと性の「純潔」さが求められる様子。しかし、日本人が性に「純潔」を求め始めたのは、いつからなのだろうか。 「古来、日本人の性観念は非常におおらかで、セックスは趣味のひとつという位置づけでした」 作家で歴史家の加来耕三氏は、こう断言する。 「明治維新の頃、性に関してとくに厳格だったヴィクトリア朝時代の欧米の価値観が日本に入ってきました。一夫一婦制が『正しい』とされ始めたのもその頃で、日本では古来、立派な人格者でもお殿様でも側室や妾を抱えていました。貴族は男も女も和歌を詠んで異性を口説き、庶民は春と秋の年に2回開かれる祭りの日に野合(フリーセックス)を楽しんでいたので
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